
正式名称 | シェットランド・シープドッグ |
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英語名 | Shetland Sheepdog |
原産国 | イギリス |
カテゴリ | 小型犬 |
ズバリ一言 | モフモフの飾り毛が愛らしい 頭が良くてトレーニングもOK こう見えて俊敏に走ります❗ |
記事内容 | シェットランド・シープドッグの 飼い方のコツを紹介します🐶 |
シェットランド・シープドッグの特徴
シェットランド・シープドッグ(英語名:Shetland Sheepdog)は、イギリス原産の小型犬です。その名の通り牧羊犬のルーツを持ち、シェルティ(Sheltie)の愛称で親しまれます。
見た目には、首胸周りと尻尾の豊かな飾り毛と長いマズルが特徴です。「小さいコリー?」と間違われることもしばしばありますが、別の犬種です。
実は瞬発力がありエネルギッシュな犬種です。知性も高いため、トレーニングやドッグスポーツも一緒に楽しめます。
性格は、人に対しては友好的な子が多いです。一方、警戒心が強いため、他の犬や動物に威嚇してしまう子もいます。子犬の頃からしっかりトレーニングと社会化を積ませることが重要です。
犬種標準のサイズ | 体高 33cm~40cm |
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体重 | 6~7kg |
分類 | 小型犬 |
平均寿命 | 12~13年 |
価格相場 | 30万〜35万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2022年8月inuteマガジン編集部調べ
シェットランド・シープドッグは、ボーダー・コリーを始めとするコリー種に分類されます。ここに、サモエドなどのスピッツ種が交配されて年月を経て小型化し、今日の形になったと言われます。
本犬種と似た特徴を持つ犬種について、下記に紹介します。
シェットランド・シープドッグの性格
牧羊犬のルーツもあり、人と協調した作業が好きな子たちです。特に人に対しては優しく穏やかな子が多いです。
一方で、警戒心が強いため、他の犬や動物に対しては、厳しく接したり避けてしまうこともしばしばあります。急な動作や音に敏感に反応して興奮する子もいます。
突発的に興奮すると、道路への飛び出しや他の人や犬とのトラブルにつながるため、子犬の頃から入念にトレーニングと社会化を行いましょう。
シェットランド・シープドッグの毛色
幅広い色合いが許容される犬種です。一般的にブラウン系、ブルー系の濃淡からブラックまであり、ホワイトのマーキングが各所に入ります。
- セーブル
- トライカラー
- ブルーマール
- ブラック
- ブラック&タン
シェットランド・シープドッグの飼い方
普段は落ち着いて見えますが、想像以上にエネルギッシュな犬種です。1日60分以上は散歩をさせるようにしましょう。
また、定期的に広い場所でのボール遊びや、ドッグランでの自由運動を取り入れることがおすすめです。普段の散歩だけでは人間が歩行ペースになり、運動量が不十分になる可能性があるためです。
動くものを追いかける習性が強いため、特にボールやフリスビーのレトリーブが適します。子犬の頃から一緒に遊べるように慣れさせておくのがおすすめです。
他方で、雨が続く時期などは、室内での知育もエネルギー消費に効果的です。知育トイ(コングなど)に少量のおやつを入れ、探し当てる遊びなど、工夫してその子に合った遊び方を見つけましょう。
シェットランド・シープドッグのしつけ
警戒心が強く、小さい動物などに反応して興奮することがあります。小柄でもパワフルなため、油断すると飼い主の手を離れて思わぬトラブルに繋がる可能性があります。
人も犬もより安心して過ごすため、日頃から意識的にトレーニングや社会化を行うことが大切です。
トレーニング
思わぬ事故を避けるため、必ず「マテ」の指示が入るように根気よく訓練しましょう。興奮状態や衝動的な行動を飼い主が制御できるようにしておく必要があります。
例えば、救急車の音に興奮して吠えたとき、ごはんをあげるときなど、普段の生活で興奮したときに、すかさず「マテ」の指示を出します。
我慢できたときにはしっかり褒めて、ご褒美をあげましょう。これを繰り返すことで、「マテ」の指示に従うとご褒美をもらえると学習し、習慣化します。
社会化
初めての環境や、他の人や犬と一緒にいるときは、普段のコマンド・指示が入りにくくなります。
慣れない環境でも飼い主の指示に耳を傾けられるように、周囲の環境や、他の人や犬に慣れさせることを社会化と言います。これにより、他の人や犬と友好的に接することができる利点もあります。
社会化には、子犬の頃から他の人や犬と会わせ、新しい環境に慣れさせることが重要です。周囲が敵でないと認識させて警戒心を解いてあげます。
ただ、はじめての犬と挨拶をするときは、警戒して攻撃的になる子もいるため、注意しましょう。
まずは相手の飼い主の了解をとり、双方の飼い主が注意を払いながら、少しずつ犬同士を近づけてあげます。うなり声や警戒する動作を見せるときは無理に挨拶させず、犬同士を離すようにしましょう。
シェットランド・シープドッグのお手入れ
下記の頻度を目安に、お手入れをしてあげましょう。
ブラッシング | 毎日 |
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シャンプー | 月1回 | トリミング | 不要 |
ブラッシング
シェットランド・シープドッグは毛量が多く、ほつれや毛玉ができることがあります。死毛が体表面に残りやすくなり、ムレて雑菌が繁殖する原因になるため、ブラッシングで取り除いて通気性を良くします。
ブラッシングの頻度は、1日1回を目安にしましょう。ただ、被毛がダブルコートで年2回の換毛期には大量の毛が抜けます。換毛期には1日2~3回を目安にブラッシングしてあげましょう。
ブラッシングの方法は、毛玉や死毛を取り除くため、スリッカーブラシを用います。先端が尖っているため、肌を傷つけないようにペン持ちで優しく扱いましょう。仕上げは、コームで梳かして毛並を整えます。
シャンプー
シャンプーの頻度は、毎月1回を目安にしましょう。犬の肌は人間より薄くデリケートで皮脂も少ないため、高頻度にシャンプーをするとかえって必要な皮脂が減り、肌トラブルの原因になります。
シャンプーの方法は、シャワーヘッドでマッサージするように、35~37℃のぬるま湯で洗います。シャンプーを利用する場合、人間用のものは刺激が強いため、必ず犬専用のものを利用しましょう。
洗った後は吸水性の良いタオルでよく拭き、ドライヤーでアンダーコートまでよく乾燥させましょう。湿気が残ると細菌が増殖しやすくなります。
歯磨き
犬の健康を維持するためには、まずは歯の健康を保つことが重要です。毎日の歯磨き習慣をつけるようにしましょう。
歯磨きの方法は、特に食後に飼い主がガーゼなどを用いて、優しく指でこすって付着物を取ってあげる程度で十分です。犬専用の歯磨きジェルなども利用しながら、効果的に汚れをとってあげましょう。
シェットランド・シープドッグがかかりやすい病気の例
本犬種は、コリー眼異常(こりーがんいじょう;通称 コリーアイ)や甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)などに注意が必要です。
コリー眼異常
(こりーがんいじょう 別名:コリーアイ)
眼の奥の血管および強膜(白い膜)の欠損より起こる先天性の眼異常のことを言います。これにより、眼の奥の膜が透けて見えたり、神経の欠損、網膜剥離や出血などが起こります。
症状としては、視覚に影響がないものから失明に至るまで様々です。そのため、病気として発見されないケースもあります。
本疾患はコリー犬種の遺伝性疾患であり、遺伝子検査によって診断が可能です。有効な治療方法や予防方法はないため、発症した際には、長期的なケアが必要になります。
甲状腺機能低下症
(こうじょうせんきのうていかしょう)
甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンの分泌が欠乏した状態を言います。
甲状腺ホルモンは、代謝に関与するホルモンで、身体の活力を上げてくれます。これが欠乏すると、活動性の低下・覇気のない顔貌・脱毛・肥満など様々な症状を示します。
本疾患は、ホルモン検査で発見が可能です。中高齢の子や、上記の症状が見られた場合は動物病院へ相談しましょう。
イベルメクチンおよびミルベマイシン中毒
イベルメクチン、ミルベマイシンは寄生虫の駆除薬です。寄生虫の神経に作用し、麻痺を起こさせることで死滅させる薬剤です。
本来、この薬は適正量で飲む分には哺乳類に影響を与えませんが、本犬種において遺伝子異常を持っている子に関しては、この神経毒性が生じやすいとされています。
毎年、夏の時期に投与するフィラリア予防の駆虫薬については、投与薬の種類に注意しましょう。
シェットランド・シープドッグの価格
購入価格 | 30万〜35万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均13,815円(小型犬 n=308) ※3 |
※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2022年8月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和2年(2021年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
シェットランド・シープドッグの歴史
シェットランド・シープドッグは、原産国はイギリスで、最北端のシェットランド諸島に起源を持つ歴史ある牧羊犬です。
コリー種に分類されており、ボーダー・コリーと同じ祖先をたどります。サモエドやポメラニアンなどのスピッツ種が交配されたと考えられています。
シェットランド諸島は、寒冷な気候のため食料が少なく、動植物が大きく育たない厳しい環境です。そのため、年月を経て自然と小型化し、今の形になったと考えられています。
19世紀後半にシェットランドからイギリスに紹介され、1909年に正式に登録が認められるようになりました。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「世界の犬種大図鑑」 | 誠文堂新光社 | 藤田りか子(著) |
2 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
3 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |