
正式名称 | バーニーズ・マウンテン・ドッグ |
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英語名 | Bernese Mountain Dog |
原産国 | スイス |
カテゴリ | 大型犬 |
ズバリ一言 |
大きな体格と穏やかな性格 ふわふわカール毛が愛らしい スイスの優秀な山岳犬です |
記事内容 |
バーニーズ・マウンテン・ドッグの 飼い方や病気などを紹介します🐶 |
バーニーズ・マウンテン・ドッグの特徴
バーニーズ・マウンテン・ドッグ(英語名:Bernese Mountain Dog)は、スイス原産の大型犬です。筋肉質でがっしりした体格で、垂れ耳の穏やかな表情が特徴です
元々は、スイスの山岳地帯の農家で作業犬として、牧羊や荷物運搬で活躍しました。その経緯から、人と協調した作業が好きで、穏やかな性格をしています。
ただ、筋肉質で力が強いため、幼少期から飼い主が責任を持ってしつけることが大切です。どんなに穏やかな性格でも、とっさの外的要因で興奮すると事故につながるため、注意しましょう。
体格が大きく、とても食欲旺盛な犬種です。朝夕60分ずつの散歩に加えてドッグランでの自由運動など、日々の運動量をしっかりと確保しましょう。
犬種標準のサイズ | 体高 58~70cm |
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体重 | 40kg~45kg |
分類 | 大型犬 |
平均寿命 | 6~8年 |
価格相場 | 30万〜40万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2022年2月inuteマガジン編集部調べ
その他に、本犬種と似た特徴を持つ犬種を紹介します。
- スイスの山岳救助犬「セント・バーナード」
- 真っ白なモフモフ犬「サモエド」
- 金色被毛が美しい「ゴールデン・レトリーバー」
バーニーズ・マウンテン・ドッグの性格
一般的に穏やかで人懐っこい性格をしています。人と遊ぶのが大好きで、ボールやフリスビー遊びなどもできる犬種です。
元々は農家の作業犬として活躍した犬種であり、気立てが良く、飼い主と協調した作業が大好きです。トレーニングや知育遊びも取り入れて、コミュニケーションを取ってあげましょう。
バーニーズ・マウンテン・ドッグの毛色
トライカラーの色合いが特徴です。ジェットブラックをベースに、額から腹にかけてホワイトのマーキングが入り、主に目の上と口周り、四肢の先にはブラウンが入ります。
バーニーズ・マウンテン・ドッグの飼い方
本犬種は筋肉質で食欲旺盛、エネルギッシュ、そして遊び好きな子たちです。
食事量については、幼少期から定期的に獣医に相談して管理しましょう。ごはんやおやつを与え過ぎて肥満になると、関節の疾患にかかりやすくなるため注意が必要です。
散歩については、毎日朝夕で各60分を目安に散歩させましょう。
通常の散歩ではエネルギーを消費しきれないため、定期的な自由運動が必要です。専用施設でボールやフリスビーで遊んだり、ドッグランで他の子と走らせて、効果的に体力を消耗させてあげましょう。
ただし、食後の2時間程度は安静にさせ、運動をさせてはいけません。食後すぐに激しい運動をすると、胃捻転(いねんてん)と呼ばれる重大疾患を起こす可能性があります。
また、本犬種は、スイスのアルプス山岳地帯の出身で、寒さに強く暑さに弱い犬種です。特に夏場の熱気に弱いため、熱中症対策が必要です。
夏季の散歩では、涼しい時間帯を選んだり、冷却グッズを利用して、体温調節をサポートしてあげましょう。また、屋内では常に冷房をつけておくようにしましょう。
バーニーズ・マウンテン・ドッグのしつけ
力が強いため、突発的に興奮すると飼い主が制御できず事故につながる可能性があります。穏やかな性格に油断せず、トレーニングや社会化は、幼少期から入念に行いましょう。
トレーニング
「マテ」の指示が入るように、普段から訓練しましょう。飼い主の指示に従って、興奮状態を抑える練習をします。
普段の生活で興奮するとき(遊びやごはんなど)で、毎回「マテ」の指示を入れて、興奮を抑制するようにしましょう。我慢ができたところで、たくさん褒めてご褒美を与えましょう。
何度も繰り返し続けることで、犬は「マテ」の指示に従うことで、自分に嬉しいことが起こると理解し、徐々に飼い主の指示に従うようになります。
社会化
周囲の環境に適応させるために、社会化が必要になります。これにより、外の環境でも飼い主の指示が入りやすくなり、他の人や犬と友好的に接することができるようになります。
社会化は、子犬の頃から継続的に行います。いつもと違う散歩コースを歩いたり、人や犬と積極的に触れ合う機会を作り、周囲の環境に慣れさせましょう。
ただ、犬との挨拶には注意が必要です。神経質な子や特殊な事情がある子もいるため、一方的に犬同士を近づけてはいけません。
必ず相手の飼い主に「挨拶させてもいいですか?」と話しかけ、事前に了解をとります。双方の飼い主が注意を払って、少しずつ犬同士を近づけて挨拶させます。
もし、どちらかの犬が嫌がったり、唸り声を上げた場合は、すぐに飼い主が介入して犬同士の距離を取るようにしましょう。
バーニーズ・マウンテン・ドッグのお手入れ
本犬種は、下記の頻度を目安にお手入れしましょう。
ブラッシング | 週2,3回 |
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シャンプー | 月1回 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、セミロングの厚い被毛をもちます。そのため、汚れを溜めやすく、毛玉ができやすい特徴があります。週2,3回程度、散歩後にブラッシングしてあげましょう。
ブラッシングは、主にスリッカーブラシで毛玉や死毛を除去し、コームで整えます。スリッカーブラシは先が尖っているため、肌を傷つけないようにしましょう。
シャンプー
厚い被毛に溜め込んだ汚れを取るため、毎月1回を目安にシャンプーしてあげましょう。シャンプーはトリマーにお願いすることもできますが、良いスキンシップになるため飼い主がしてあげることがおすすめです。
シャンプーの注意事項は下記のとおりです。
水温🚿 | 37~38℃が適切です。 |
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薬剤🧴 | 必ず犬専用のものを! |
乾燥💨 | 毛の根元まで入念に! |
水温はぬるめ(約37℃)に設定し、シャワーヘッドで、優しく身体をなでるように洗い流してあげましょう。
薬剤は、必ず犬専用のものを利用します。人間用のものは犬の肌には刺激が強く、肌トラブルの原因になり得ます。
シャンプー後は、雑菌の繁殖を防ぐため、毛の根元までしっかりと乾燥させましょう。タオルドライで水気をとった上で、ドライヤーで乾かします。
バーニーズ・マウンテン・ドッグは被毛が厚いため、湿気が残りやすいです。特に注意して乾燥させるようにしましょう。
その他
耳掃除
本犬種は、大きな垂れ耳に汚れが溜まりやすいため、月に1~2回程度を目安に耳掃除をしましょう。
掃除には、犬専用のイヤークリーナーなどを利用しましょう。目立つ汚れには、耳掃除用シートも効果的です。ただ、肌を傷つけないよう、優しく触れる程度に拭き取りましょう。
歯磨き
夕食後や寝る前など、毎日歯磨きをしてあげましょう。歯の健康を保つことで、虫歯や歯周病を防ぎ、犬の健康寿命を延ばすことができます。
歯磨きには、人間用の歯ブラシを用います。歯ブラシが苦手な子には、ガーゼや布を指に巻いて、優しくこすることから始めましょう。市販の犬専用歯磨きジェルなども利用できます。
バーニーズ・マウンテン・ドッグがかかりやすい病気の例
本犬種は、股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)などに注意する必要があります。
股関節形成不全は、若齢(1歳以下)での発症が多いとされる疾患です。重度になると歩き方が不自然になったり、歩行困難になる場合もあります。
本疾患の原因には、遺伝的な要因に加えて、肥満や激しい運動による関節への負荷が挙げられます。
バーニーズ・マウンテン・ドッグは食欲旺盛で、運動不足による肥満が多いとされます。獣医と連携して適切な食事量と体重を管理しつつ、一定の運動量を確保するようにしましょう。
バーニーズ・マウンテン・ドッグの価格
購入価格 | 30万〜40万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均12,563円(中・大型犬 n=109) ※3 |
※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2022年2月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
バーニーズ・マウンテン・ドッグの歴史
バーニーズ・マウンテン・ドッグはスイス生まれの大型犬です。ローマ軍のスイス侵攻の際に持ち込まれたマスティフ系の犬が祖先と言われます。
その後、2000年以上もの間、農家の作業犬として受け入れられてきました。牧羊や犬の群れの先導、荷物の牽引作業に活躍したとされ、大柄で筋肉質な体型が好まれました。
名前の由来として、「マウンテン・ドッグ」は、山犬という意味ではなく、特にアルプス山岳地帯の農家で活躍していたことに由来しています。
また、「バーニーズ」は原産国スイスの首都ベルン市の英語読みから来ており、スイスでは「ベルナー・ゼンフント」(ベルンのマウンテンドッグ)と呼ばれています。
バーニーズ・マウンテン・ドッグとの充実した日々を
大きな体格と穏やかな性格が魅力の犬種です。大きな垂れ耳とセミロングのカーリーな被毛が愛らしく、国内外に多くのファンがいます。
バーニーズ・マウンテン・ドッグの性格や特徴、飼い方のコツを学び、楽しく充実した日々をお過ごしください。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
2 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |