
正式名称 | グレート・ピレニーズ |
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英語名 | Great Pyrenees |
原産国 | フランス |
カテゴリ | 大型犬 |
ズバリ一言 |
シロクマのような巨大な体格 モフモフ被毛が気持ち良い フランス出身の牧羊犬です |
記事内容 |
グレート・ピレニーズの飼い方や 病気の例などを紹介します🐶 |
グレート・ピレニーズの特徴
グレート・ピレニーズ(英語名:Great Pyrenees)は、フランス原産の大型犬です。骨太で巨大な体格と厚い被毛を持ち、シロクマのような見た目が特徴です。
元々は、ピレネー山脈の極寒の地で、牧羊犬として活躍していました。穏やかな性格で飼い主にも忠実です。縄張り意識が強いため、番犬としても優秀です。
ただ、警戒心が強いため、攻撃性が出ないように幼少期からしつけることが大切です。力が強く、制御不能になると事故につながるため、注意しましょう。
とにかく巨大で、食欲旺盛な犬種です。肥満にならないよう、朝夕60分以上の散歩に加えて、ドッグランやボール遊びなどの自由運動を取り入れ、日々の運動量を確保しましょう。
犬種標準のサイズ | 体高 65~80cm |
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体重 | 45kg~60kg |
分類 | 大型犬 |
平均寿命 | 10~12年 |
価格相場 | 30万〜40万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2022年2月inuteマガジン編集部調べ
その他に、本犬種と似た特徴を持つ犬種を紹介します。
- 真っ白なモフモフ犬「サモエド」
- スイスの山岳救助犬「セント・バーナード」
- 強く優しい大型犬「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」
グレート・ピレニーズの性格
一般的に穏やかで飼い主に忠実な性格で、普段はおとなしく冷静沈着に振る舞います。
一方、番犬気質で縄張り意識が強い子が多いため、自分のテリトリーに入ってくる人や犬に対しては、強く威嚇します。
吠え声が大きく、近隣の迷惑になる環境であれば、子犬の頃から吠えを我慢できるよう、意識的に訓練する必要があります。
グレート・ピレニーズの毛色
ホワイトを基調とした色合いで、グレーやブラウン系の斑が入ることがあります。
本犬種は厚い被毛を持つため、汚れを溜めてしまいがちです。美しく白い被毛をキープするには、後述するお手入れを入念に行う必要があります。
グレート・ピレニーズのお手入れ
本犬種は、下記の頻度を目安にお手入れしましょう。
ブラッシング | 毎日 |
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シャンプー | 月1回 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング
グレート・ピレニーズは、毎日散歩後にブラッシングしてあげましょう。極寒の地でも耐えられる厚い被毛を持っているため、汚れを溜め込んだり、毛玉ができやすい特徴があります。
被毛がダブルコートであるため、年2回の換毛期には毛が生え変わります。抜け毛が多くなり、室内に大量に落ちてしまうため、換毛期にはブラッシングの頻度を毎日2回などに増やすと良いでしょう。
ブラッシングには主にスリッカーブラシを用いて、毛玉や死毛を除去します。スリッカーブラシは先が尖っているため、ペンを持つようにして扱い、肌を傷つけないようにしましょう。
シャンプー
グレート・ピレニーズは、毎月1回を目安にシャンプーしてあげましょう。被毛に溜め込んだ汚れを取り雑菌の繁殖を防ぐことで、ニオイ対策や肌トラブルを避けることができます。
シャンプーの注意事項は下記のとおりです。
水温🚿 | 犬の適温は約37~38℃ |
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薬剤🧴 | 必ず犬専用の薬剤を! |
乾燥💨 | アンダーコートまで入念に! |
水温はぬるめ(37℃程度)に設定しましょう。シャワーヘッドで身体をなでるように洗い流します。
利用する薬剤は、犬専用シャンプーを利用します。人間用のものは刺激が強く、敏感な犬の肌には利用できないため、ご注意ください。
シャンプー後は、湿気による雑菌の繁殖を防ぐため、アンダーコートの根元までしっかりと乾燥させましょう。グレート・ピレニーズは特に被毛が厚いため、湿気が残りやすく、注意が必要です。
吸水性の良いタオルで水気をとった後に、ドライヤーでゆっくり乾かします。乾燥後は、アンダーコートをかき分けて、湿気が残っていないことを確認するようにしましょう。
トリミング
グレート・ピレニーズは、基本的にトリミングの必要はありません。ただ、暑さに弱い犬種であるため、特に夏の時期に短くカットすることはおすすめです。
トリミングサロンによっては超大型犬は対象外であったり、一回あたり2万円ほどかかる場合もあるため、事前に複数のトリミングサロンを確認するようにしましょう。
その他
耳掃除
グレート・ピレニーズは、大きな垂れ耳に汚れが溜まりやすいため、月に1~2回程度を目安に耳掃除をしましょう。特に暖かくなる時期には、耳の雑菌繁殖が増えるため、注意が必要です。
掃除には、犬専用のイヤークリーナーなどを利用しましょう。汚れが目立つ場合には、耳掃除用シートも利用できます。
耳掃除の際には、肌を傷つけないよう、優しく触れる程度に汚れを拭き取りましょう。
歯磨き
夕食後や寝る前など、毎日歯磨きをしてあげましょう。歯の健康を保つことで、虫歯や歯周病を防ぎ、犬の健康寿命を延ばすことができます。
歯磨きは、人間用の歯ブラシやガーゼや布を利用して、歯の表面から歯茎の間を優しく磨きましょう。犬専用の歯磨きジェルなども市販されています。
グレート・ピレニーズがかかりやすい病気の例
本犬種は、股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)などの疾患に注意する必要があります。
股関節形成不全は、1歳以下での発症が多いとされ、症状が重くなると歩き方が不自然になったり、歩行困難になる場合もあります。
原因としては、遺伝的な要因のほかに、肥満による体重増加や激しい運動による関節への負荷が挙げられます。
グレート・ピレニーズは食欲旺盛なため、運動不足により肥満になりやすく注意が必要です。こまめに獣医に相談して食事量と体重を管理しましょう。また、日頃から一定の運動量を確保するようにしましょう。
グレート・ピレニーズの価格
購入価格 | 30万〜40万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均12,563円(中・大型犬 n=109) ※3 |
※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2022年2月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
グレート・ピレニーズの歴史
グレート・ピレニーズは、フランス生まれの超大型犬です。フランスとスペインの国境付近にあるピレネー山脈で、古くから飼育されてきました。チベタン・マスティフの子孫であるとも言われます。
紀元前から牧羊犬として重宝されてきました。その警戒心や落ち着いて周囲に目を配ることができる特徴から、護衛犬としても活躍したと言われます。
17世紀には、ルイ14世が宮廷犬として迎え入れ、フランス王室を始めとして国内でも人気を集めました。19世紀中頃まで、フランス王立法廷の公式犬として認められており、マリー・アントワネットの護衛犬を務めるなど功績が認められます。
本犬種は19世紀後半に英国ケネルクラブに登録され、その後1933年にアメリカンケネルクラブ、1961年にジャパンケネルクラブに登録されました。
グレート・ピレニーズとの充実した日々を
大きな体格と白い被毛で、シロクマのような見た目と、従順で穏やかな性格が魅力の犬種です。
警戒心が強い一面もあるため、迎え入れる際には飼い主が責任を持ってしつける必要があります。幼少期からしっかりと訓練をしてあげれば、良い伴侶犬となってくれます。
グレート・ピレニーズの性格や特徴、飼い方のコツを学び、アクティブで楽しい、充実した日々をお過ごしください。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
2 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |