
正式名称 | ボクサー |
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英語名 | Boxer |
原産国 | ドイツ |
カテゴリ | 大型犬 |
ズバリ一言 |
大型で筋肉質な身体つき💪 警察犬・軍用犬として活躍! 実は心優しい子たちです |
記事内容 |
ボクサーの特徴や飼い方のコツ、 よくある病気などを紹介します🐶 |
ボクサーの特徴
ボクサー(英語名:Boxer)は、ドイツ出身の大型犬です。筋肉質な身体を持ち、ブルフェイスのいかめしい顔立ちが印象的です。護衛犬の防衛本能を持ちますが、実は心優しく愛情深い子たちです。
マスティフ系の獣猟犬(ブレンバイサー)を祖先に持ち、当初は闘犬としても利用されました。戦時中から軍用犬として活躍するなど、使役犬としての歴史も長い犬種です。
エネルギッシュな犬種で、毎日朝夕それぞれ1時間以上の散歩が必要です。広い場所での自由運動も定期的に取り入れる必要があります。
暑さに弱いため、夏場は屋内ではエアコンで常に気温を調節が必要です。散歩は日中を避け、冷却グッズを積極的に利用しましょう。
犬種標準のサイズ | 体高 53cm~63cm |
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体重 | 23kg~36kg |
分類 | 大型犬 |
平均寿命 | 10年~12年 |
価格相場 | 15万〜30万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2022年4月inuteマガジン編集部調べ
本犬種と似た特徴を持つ犬種を紹介します。
ボクサーの性格
飼い主家族に対しては無邪気で遊び好き、愛情深い子たちです。気難しさも少なく、穏やかで感情の起伏も少ないと言われます。
一方、他の人や犬には警戒心や防衛本能を持つ子も多いです。護衛犬や番犬としては必要な気質ですが、家庭犬として迎える際には子犬の頃からトレーニングと社会化を意識的に行いましょう。
ボクサーの毛色
主にフォーンまたはブリンドルの毛色を持ちます。フォーンの場合、色合いの濃淡で広いバリエーションがあります。薄めのフォーンから濃い赤を持つ子まで様々です。
ボクサーのお手入れ
本犬種は、下記の頻度を目安にお手入れしましょう。
ブラッシング | 週1回 |
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シャンプー | 月1回 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング
ボクサーの被毛は、シングルコートの短毛です。比較的に抜け毛も少なく、ブラッシングの頻度は週1回を目安にしましょう。
主にラバーブラシでマッサージするように優しくブラッシングし、獣毛ブラシで艶出しの仕上げをしましょう。
シャンプー
シャンプー頻度は、月1回を目安にしてあげましょう。高頻度なシャンプーは必要な油分まで落として、かえって皮膚のトラブルにつながるため気をつけましょう。
日頃、汚れが目立つときは、固く絞った濡れタオルなどで身体を拭いてあげるようにします。
シャンプーする際の注意事項は下記のとおりです。
水温🚿 | 犬の適温は約37~38℃ |
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薬剤🧴 | 必ず犬専用のシャンプーを! |
乾燥💨 | 毛の根元まで入念に! |
シャワーは、ヘッドを身体に近づけて腰回りから徐々に濡らしてあげましょう。水温はぬるめの37℃~38℃に設定します。
シャンプーには、人間用のものは刺激が強いため利用できません。肌トラブルを避けるためにも、必ず犬専用の薬剤を用いましょう。
よくすすいだ後は、しっかり乾かして雑菌の増殖を抑えます。タオルドライをした上で、ドライヤーも利用し、毛の根元まで入念に乾かしましょう。
その他
耳掃除
耳掃除の頻度は、月に1~2回を目安にしましょう。湿気の多い時期には特に注意が必要です。
耳掃除には、イヤークリーナーを用います。コットンなどに染み込ませて、肌を傷つけないように優しく拭いてあげましょう。
歯磨き
歯磨きは、毎日してあげましょう。食べかすなどの汚れを落とし、口臭や虫歯、歯周病の対策になります。
市販の歯ブラシや、苦手な子はガーゼ・布を指に巻いて利用します。専用の歯磨きジェルなども使いながら、優しく磨いてあげましょう。
なお、歯磨きはなるべく子犬の頃から行うようにしましょう。成犬になっても拒否反応を示さず、円滑に歯磨きをさせてくれるようになります。
ボクサーがかかりやすい病気の例
本犬種は、拡張型心筋症(かくちょうがたしんきんしょう)や胃拡張-胃捻転症候群(いかくちょう-いねんてんしょうこうぐん)などに注意する必要があります。
拡張型心筋症
(かくちょうがたしんきんしょう)
本疾患を発症すると、心筋が薄くなることで心臓のポンプ機能が低下し、血液の循環が悪くなってしまいます。これにより、食欲低下や肺水腫、呼吸困難などの症状が出てくるとされます。
心筋の異常が進行すると、不整脈をともない、急にふらつく、虚脱状態になる、失神する、といった症状が見られ、最悪の場合には突然死する場合もあるとされます。
原因は不明ですが、加齢にともなって発生率が高まると言われます。また、ボクサーは本疾患の好発犬種であることが指摘されています。
治療は、内科的治療が主となります。進行性の疾患であるため、早期の発見が重要です。
早期発見のためには、特に成犬になったら毎年の心臓検診を受けるようにしましょう。弁の閉鎖不全症をともなう場合もあり、検診時の聴診で発見されることもあると言います。
胃拡張-胃捻転症候群
(いかくちょう-いねんてんしょうこうぐん)
本疾患は、胃拡張による周辺血管の圧迫や胃捻転により、周辺臓器の血行が悪化します。その結果、胃や脾臓が壊死するなど多臓器不全を起こす、死亡率の高い緊急疾患です。
予防のためには、日頃の食事の際に、特に以下の点に注意しましょう。
- 食事前後は興奮させない
- 早食い防止用の食器を使用する
- 複数回に小分けにして食事を与える
- 運動前は食事・おやつを控える
補足:「食事前後は興奮させない」は、”呑気”と呼ばれる空気の飲込みを軽減するために必要です。
補足:「早食い防止用の食器を使用する」は、あえて食べづらい設計の食器(器の内側に突起物)を利用することで、愛犬の食事ペースを調整することができます。
発症したときは、早期の治療が命を救うカギになります。
「食後、不自然にお腹が膨らんでいる」「吐く仕草をするのに吐けない」といった異変に気づいた場合は、すぐに動物病院に連れていきましょう。
ボクサーの価格
購入価格 | 15万〜30万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均13,294円(中・大型犬 n=113) ※3 |
※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2022年4月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和3年(2021年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
ボクサーの歴史
ボクサーは、祖先である獣猟犬(ブレンバイサー)にマスティフやブルドッグをかけ合わせて作出されました。
実はボクサーはドイツで最初に警察や軍に活用された犬であると知られます。戦時中は軍用犬としても活躍しました。
国内では、1934年にドイツから輸入されたのが最初と言われます。戦後、駐留米軍が持ち込んだことで知名度が上がりました。今でも根強いファンがおり、ジャパンケネルクラブによると、2021年の国内犬籍登録数では47位でした。
一方、ドイツ(VDH)では人気犬種ランキング第8位、米国(AKC)では人気犬種ランキング第14位にランクインしており、世界的な人気犬種であることが伺えます。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
2 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |