
正式名称 | スコティッシュ・テリア |
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英語名 | Scottish Terrier |
原産国 | イギリス |
カテゴリ | 小型犬 |
ズバリ一言 |
元気ハツラツで遊び好き 実はガッシリ系で筋肉質🏃 テリア気質で躾は意識的に |
記事内容 |
スコティッシュ・テリアの 飼い方や病気を紹介します🐶 |
スコティッシュ・テリアの特徴
スコティッシュ・テリア(英語名:Scottish Terrier)は、イギリス出身の小型犬です。見た目は、コンパクトですが、硬い被毛の下はかなりの筋肉質ボディです。
狩猟犬のため運動神経はバツグン、スタミナのある子が多いです。散歩は毎日60分以上を目安に、定期的にボール遊びやドッグランでの自由運動も取り入れましょう。
性格は、元気いっぱい遊び好きですが、「テリア気質」の子が多く、激しく興奮してしまう一面もあります。動きのある小動物を追い回してしまうこともあり、子犬の頃から意識的にしつけと社会化をしましょう。
犬種標準のサイズ | 体高 25.4~28cm |
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体重 | 8.6〜10.4kg |
分類 | 小型犬 |
平均寿命 | 12年~15年 |
価格相場 | 20万〜30万円 ※1 |
※1 参考:ブリーダー仲介サイト等、複数社の値段から算出 2022年8月inuteマガジン編集部調べ
スコティッシュ・テリアは、身体が小さいため、可搬用のクレートを用いれば飼い主と遠出することも可能です。吠え癖や興奮が抑えられれば、公共交通機関も同伴で利用できます。
可搬クレートは、丈夫で安全、かつ軽量なものを選ぶことがおすすめです。下記の記事を参考にご覧ください。
以下に本犬種と似た特徴を持つ犬種を紹介します。
- キツネ狩りの猟犬「ワイヤー・フォックス・テリア」
- 立派な口ひげ「ミニチュア・シュナウザー」
- 可愛らしい小型テリア「ノーフォーク・テリア」
スコティッシュ・テリアの性格
いつも元気いっぱいで遊び好きです。とにかく広いスペースで元気に身体を動かして遊び回るのが大好きです。
テリア気質を強く受け継いでいる子も多く、興奮すると激しく吠えたり、小動物を追い回すこともあります。子犬の頃から、意識的にしつけと社会化に取り組みましょう。
スコティッシュ・テリアの毛色
ブラック、ウィートン(グレー×ブラウン)、ブリンドル(ブラック×ブラウン)の色味の子がいます。色調は問われないため、様々な色合いの子がいます。
スコティッシュ・テリアの飼い方
身体を動かすのが大好きで、かなりスタミナのある子たちです。毎日60分以上は散歩させるようにしましょう。
また、散歩に加えて定期的な自由運動も必要です。ロングリードでのボール遊びやドッグランでの追いかけっこなど、効果的に運動させて疲れさせてあげましょう。
テリア気質が強い子が多いため、追いかけっこの時には興奮してしつこく追い回し過ぎないよう、注意しましょう。飼い主が目を離さず、ヒートアップしてきたら静止できるように。
スコティッシュ・テリアのしつけ
テリア気質の強い子は、小動物を見て興奮すると吠え立てたり、追い回したりする子が多いです。子犬の頃から、意識的にトレーニングと社会化をして、周囲の人や犬に慣れさせてあげましょう。
トレーニング
日頃から犬の行動をコントロールできるように、基本的なコマンドを教えておきましょう。
特に、興奮を抑える「マテ」と呼び戻しの「おいで」は、繰り返し練習しておくと良いでしょう。散歩で興奮したときや、小動物を追いかけてリードが離れてしまったときにも、犬の行動を制御できることが望ましいです。
例えば「マテ」のトレーニングは、普段から興奮するタイミング(おやつや呼び鈴など)で、毎回「マテ」の指示を入れて、興奮を抑えるようにします。
根気よく繰り返し、興奮を我慢できたときは、いっぱい褒めてご褒美をあげます。これにより、「マテ」に従うと嬉しいことが起こると学習します。
また、「おいで」の場合も、発声と同時にご褒美を見せて呼び寄せます。最初は、「おいで」と聞くとご褒美がもらうために飼い主の方に駆け寄るようになり、徐々に発声だけでもコマンドに従うようになります。
社会化
他の人や犬と友好的に接したり、屋外の環境でも飼い主の声を聞けるために、子犬の頃から意識的に社会化してあげましょう。
社会化には、散歩のときにいつもと違うルートを通ったり、積極的に他の人や犬と挨拶させるようにします。これにより、屋外や見知らぬ環境にも適応しやすくなります。
ただし、挨拶の際にはマナーに注意しましょう。神経質な子もいるため、不用意に犬を近づけると事故につながる可能性があります。
必ず相手の飼い主に確認してから、少しずつ犬同士を近づけて挨拶をさせます。もし、どちらかが嫌がる素振りを見せたら、すぐに犬同士を離しましょう。
スコティッシュ・テリアのお手入れ
本犬種は、下記の頻度を目安にお手入れしましょう。
ブラッシング | 毎日 |
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シャンプー | 月1~2回 |
トリミング | 月1回 |
ブラッシング
スコティッシュ・テリアは、毎日ブラッシングをしましょう。抜け毛や汚れを取り除き、肌への通気性を良くすることで、衛生的に保つようにします。
ダブルコートの被毛を持ち、年2回の換毛期には抜け毛が増えます。特に換毛期は毎日複数回、ブラッシングをしてあげましょう。
ブラッシングには、スリッカーブラシを利用します。先端が尖っているため肌を傷つけないように、ペン持ちで優しく扱いましょう。
シャンプー
シャンプーは、月1~2回を目安に行いましょう。
スコティッシュ・テリアの場合、トリミングと一緒にシャンプーもサロンでお願いすることもできますが、飼い主のシャンプーもスキンシップには良い機会です。
シャンプーの注意事項は以下のとおりです。
水温🚿 | 犬の適温は約37~38℃ |
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薬剤🧴 | 必ず犬専用の薬剤を! |
乾燥💨 | アンダーコートまで入念に! |
水温はぬるめ(37~38℃)にし、シャワーヘッドでマッサージするようにゆっくり流します。苦手な子は、腰回りから少しずつ濡らしてあげると良いです。
必ず、犬専用のシャンプーを利用しましょう。人間用のシャンプーは、犬の皮膚には刺激が強く、肌トラブルを引き起こす可能性があります。
シャンプーした後はしっかり流してから、入念に乾燥させましょう。湿気が残ってしまうと、雑菌が繁殖しやすくなるため、アンダーコートまで乾燥させます。
吸水タオルで水気を取り、ドライヤーで毛の根本まで乾燥させます。自宅で乾かすときは、毛量にもよりますが、30分~60分程度の時間を見込んでおきましょう。
トリミング(プラッキング)
トリミングサロンには、月1回を目安に連れていきましょう。
スコティッシュ・テリアは、プラッキング(毛を抜いて換毛する)が一般的です。トリミングナイフを使い、不要な毛を間引いて健康的な被毛を保つ方法です。
プラッキングは通常のカットよりも時間とコストがかかります。プラッキングができるトリマーさんがいるサロンを見つけ、相談してみましょう。
プラッキングは飼い主がすることもできますが、スキルと時間が必要です。講習会などもありますが、慣れていないうちはトリミングサロンにお願いしましょう。
その他
顔周りの汚れ落とし
スコティッシュ・テリアは、顔周りの長い被毛に食べかすや涙・目やになどが付着する場合があります。清潔な布やタオルで、頻繁に優しく拭いてあげましょう。
歯磨き
毎日、歯磨きをするようにしましょう。こまめに口臭や虫歯、歯周病の対策をすることで、犬の健康寿命を延ばすことにもつながります。
歯磨きには、小型犬用の歯ブラシや清潔なガーゼ・布を用います。必要に応じて犬用歯磨きジェルも使いながら、頻繁に磨いてあげましょう。
スコティッシュ・テリアがかかりやすい病気の例
本犬種は、皮膚疾患(ひふしっかん)や尿石症(にょうせきしょう)が多いと言われます。
皮膚疾患(ひふしっかん)
症状や原因は多様で、マラセチアなどの真菌によるもの、内分泌疾患によるもの、食物アレルギーや接触アレルギー、原因不明のアトピーまで、多くの種類の皮膚病を好発します。
犬は毛に覆われているため、皮膚病の発症初期は気づかれない場合が多いです。
普段の生活で撫でてあげるときなどに、皮膚の状態を観察してあげることをおすすめします。
尿石症(にょうせきしょう)
尿石症は、尿に含まれるミネラル分が結晶化することで尿石が発生することを指します。尿中のミネラル分が濃くなると結石が形成されやすいと考えられます。
尿石の成分としては、特にストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)とシュウ酸カルシウムが良くみられます。尿の酸性度によって結晶化する成分は異なります。
尿石症に伴う膀胱炎の症状(頻回尿や血尿など)や尿がギラギラ輝いている場合は、病院へ相談しましょう。
結石形成を防ぐためには、下記の3点が効果的だと言われています。
- 飲水量の調整
- 食事のミネラルバランス調整
- 肥満対策(運動、食事管理)
普段の飲水を促すことで尿中の水分量を増やし、ミネラル分の濃度を薄めることが有効とされます。また、ごはんを選ぶ際に、尿石症に配慮したフードを選択することも予防になります。
発症後の対処方法は、体質に依存するところが多いため、獣医と相談して適切な方法を取りましょう。
その他にも重大な疾患を発症する可能性もあります。定期健診を受けつつも油断せず、飼い主が何か異変を感じた際にはすぐにかかりつけの獣医に相談しましょう。
スコティッシュ・テリアの価格
購入価格 | 20万〜30万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均13,815円(小型犬 n=308) ※3 |
※2 参考:ブリーダー仲介サイト等、複数社の値段から算出 2022年8月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和3年(2021年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
スコティッシュ・テリアの歴史
スコティッシュ・テリアは、イギリス(スコットランド)原産のテリアの中でも、最も古い犬種と言われますが、詳細は不明とされます。
当時から狩猟犬として活躍し、小さい害獣を巣穴にもぐって追い込む役割を担いました。
海外では、「スコッチ」「スカティ」といった愛称で親しまれ、1940年代には世界的に流行したと言われます。
米国では、ルーズベルト元大統領やブッシュ元大統領のファーストドッグとしても有名です。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
2 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |