
正式名称 | コーイケルホンディエ |
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英語名 | Kooikerhondje |
原産国 | オランダ |
カテゴリ | 小型犬 |
ズバリ一言 |
カモ猟に使役される猟犬、 尻尾の飾り毛が魅力的です♡ 機敏でスタミナも抜群です |
記事内容 |
コーイケルホンディエの飼い方や 病気の例などを紹介します🐶 |
コーイケルホンディエの特徴
コーイケルホンディエ(英語名:Kooikerhondje)は、オランダ出身の小型犬です。コイケルの愛称で親しまれ、サイズ的には10kg前後で中型犬に近い大きさになります。
見た目は、スクエア型のバランスの取れた体型で筋肉質、尻尾の飾り毛が特徴です。 カモ猟のときには、この尻尾の飾り毛をオトリにカモを呼び寄せます。
運動神経はバツグン、機敏でスタミナもあります。散歩は毎日60分以上を目安にしましょう。定期的にドッグランでの自由運動やボール遊びも取り入れます。泳ぎが得意な子が多いので、プールや川遊びなどもおすすめです。
性格は、明るくて作業熱心な子が多く、トレーニングにも粘り強く順応してくれます。比較的に人懐っこい子が多いですが、甘やかすこと無く、しつけと社会化をしましょう。
犬種標準のサイズ | 体高 35~42cm |
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体重 | 9.0〜11.0kg |
分類 | 小型犬 |
平均寿命 | 12年~14年 |
価格相場 | 35万〜45万円 ※1 |
※1 参考:ブリーダー仲介サイト等、複数社の値段から算出 2022年9月inuteマガジン編集部調べ
コーイケルホンディエが、飼い主と遠出する際には、少し大きめの可搬用クレートがあると便利です。無駄吠えが出ないようにしつけておくことで、公共交通機関も飼い主と利用することができます。
クレートの選定には、下記の記事をご参照ください。丈夫で安全、軽量なものを選ぶことが重要です。
本犬種と似た特徴を持つ犬種を紹介します。
- ふわふわの飾り毛「シェルティ」
- 運動神経も知能も抜群「ボーダー・コリー」
- ガッチリした身体つき「オーストラリアン・シェパード」
コーイケルホンディエの性格
明るく元気で、作業意欲の高い子たちです。広いスペースでの運動が大好きで、飼い主との共同作業やトレーニングが良いコミュニケーションになります。
人懐っこく、社交的な子が多いです。ただ、甘やかすと自由気ままな性格になってしまうので、しつけと社会化は子犬の頃から行いましょう。
コーイケルホンディエの毛色
ホワイトをベースカラーとして、オレンジ・レッドの斑が入ります。一部ブラックに近い色味が入ることがあります。
コーイケルホンディエの頭部には、ブレーズ(マズルから頭頂部にかけてのホワイトカラー)が入ることも特徴です。
コーイケルホンディエの飼い方
運動好きでエネルギッシュな犬種です。毎日60分以上は散歩させるようにしましょう。
散歩だけでなく、定期的な自由運動も必要です。ボール遊びやドッグランでの追いかけっこなど、効果的に運動させてあげましょう。
コーイケルホンディエは、泳ぎが得意な子が多いです。きれいな小川やプールなどに連れていき、水遊びをするのもおすすめです。ライフジャケットとロングリードをつけて自由に泳がせてあげましょう。
コーイケルホンディエのしつけ
明るく作業熱心な性格で、比較的に人懐っこい子が多いです。学習能力が高いため、飼い主の指示も素早く理解してくれます。
ただ、積極的にトレーニングをしないと、犬自身の成功体験に基づいて学習していきます。すると、人間に望ましくない行動(吠え癖や攻撃性)が出る場合もあります。甘やかすこと無く、トレーニングと社会化をしましょう。
トレーニング
基本的なコマンドに慣れさせ、飼い主の指示をスムーズに伝えられるようにしましょう。特に興奮したときの「マテ」と呼び戻しの「おいで」を、繰り返し慣れさせておきましょう。
「マテ」の場合は、日頃の興奮するタイミング(ごはんやおやつなど)で、毎回「マテ」の指示を入れて、興奮を抑えるようにします。
我慢できたときは、いっぱい褒めてご褒美をあげましょう。これを根気よく繰り返すことで、「マテ」に従うと嬉しいことが起こると学習します。
「おいで」の場合も、コマンドと同時にご褒美を見せて呼び寄せます。「おいで」と聞くとご褒美のために駆け寄るようになり、これを繰り返すと、発声だけでもコマンドに従うようになります。
社会化
子犬の頃から意識的に人や犬、周囲の環境に慣れさせましょう。これにより、周囲の人や犬と友好的に接したり、屋外の環境でも飼い主の指示を聞けるようにします。
社会化には、意識的に散歩のルートを変えてみたり、散歩中に会う犬や飼い主と触れ合わせるようにします。これにより、屋外や見知らぬ環境にも、徐々に適応していきます。
ただし、挨拶マナーを守ることが必要です。神経質な子や攻撃的な子もいるため、特に初めて会う犬には、不用意に近づかないようにしましょう。
必ず事前に相手の飼い主に確認してから、犬同士を近づけて挨拶をさせましょう。どちらかが嫌がる素振りを見せたら、すぐに犬同士を離すようにします。
コーイケルホンディエのお手入れ
本犬種は、下記の頻度を目安にお手入れしましょう。
ブラッシング | 週2、3回 |
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シャンプー | 月1~2回 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング
コーイケルホンディエは、週2、3回ブラッシングをしましょう。抜け毛や汚れ、毛玉を落として、肌表面を衛生的に保つようにします。
ダブルコートの被毛を持ち、換毛期には多少抜け毛が増えます。抜け毛が増えてきたな、と感じたらブラッシングの頻度を多くしてあげると良いです。
ブラッシングには、ピンブラシやコームを利用します。ピンブラシは先端が丸くなってはいますが、強く肌に押し付けないよう気をつけましょう。
特に尻尾の飾り毛は、毛質によっては絡みやすくなりますので、コームで優しく梳かしてあげましょう。
シャンプー
シャンプーは、月1~2回を目安に行いましょう。
コーイケルホンディエは、トリミング犬種でなくサロンに行く機会が少ないため、特に飼い主のシャンプーが重要になります。
シャンプーの注意事項は以下のとおりです。
水温🚿 | 犬の適温は約37~38℃ |
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薬剤🧴 | 必ず犬専用の薬剤を! |
乾燥💨 | アンダーコートまで入念に! |
水温は、37~38℃に設定しましょう。シャワーヘッドでマッサージするようにゆっくり流してあげます。水が苦手な場合、腰回りから少しずつ濡らすようにしましょう。
洗うときは、必ず犬専用のシャンプーを利用しましょう。人間用のシャンプーは刺激が強く、肌トラブルの原因となる可能性があります。
シャンプー後はしっかりとすすぎ、乾燥させましょう。湿気が残ると雑菌が増えるため、アンダーコートまで入念に乾燥させます。
乾燥させるときは、まずタオルで十分に水気を取った上で、ドライヤーで毛の根元まで乾かします。自宅での乾燥には、毛量によっては30分〜1時間程度かかる場合もあります。
その他
耳掃除
コーイケルホンディエは、たれ耳であることと、耳周りに飾り毛があるため、耳に汚れが溜まりやすいです。汚れに気づいたときは、外側は清潔な布やタオルで拭き取り、内側はイヤークリーナーを利用してキレイにしましょう。
歯磨き
歯磨きは毎日するようにしましょう。歯周病や虫歯を予防して、健康寿命を延ばしてあげましょう。
歯磨きには、小さな歯ブラシを利用します。苦手な子は、清潔なガーゼ・布を飼い主の指に巻いて磨きます。犬用歯磨きジェルも適宜使いながら、こまめに磨いてあげましょう。
コーイケルホンディエがかかりやすい病気の例
本犬種は、外耳炎(がいじえん)、遺伝性疾患であるセロイド・リポフスチン脳症や遺伝性壊死脊髄障害(いでんせいえしせきずいしょうがい)などが多いと言われます。
外耳炎(がいじえん)
耳の内側の皮膚が雑菌の繁殖などによって炎症を起こす疾患です。
本犬種は、垂れ耳であることと、耳周りの被毛に汚れが溜まりやすいことから、汚れを放置すると外耳炎になりやすいです。
予防のためにも、定期的な耳洗浄と耳内の被毛を処理してあげるようにしましょう。
セロイド・リポフスチン脳症
運動能力や知能、視覚障害などの症状が現れる疾患で、症状が進行すると死に至る場合があります。
原因は、遺伝子の変異により細胞内の必要な分解酵素が失われ、細胞内に悪性の老廃物を蓄積することで発症すると言われます。
遺伝性の疾患であり、予防法や治療法はありません。近親交配により発生しやすくなるとも言われるため、強いて言えば、適切なブリーディングが重要となります。
発症後は、対処療法としての緩和ケアを行う場合が多いと言われます。普段の様子や行動に異変を感じたら、すぐに動物病院に相談しましょう。
遺伝性壊死脊髄障害
(いでんせいえしせきずいしょうがい)
コーイケルホンディエ特有の遺伝性疾患で、コイケル麻痺と呼ばれることもあります。1歳未満で発症し、進行すると麻痺が全身に至る致死性の疾患と言われます。
原産国オランダでも、現在治療法はないとされます。原因となる遺伝子のキャリアはDNA検査で検出できますので、迎える際にはブリーダーさんと事前に相談するようにしましょう。
コーイケルホンディエの価格
購入価格 | 35万〜45万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均13,815円(小型犬 n=308) ※3 |
※2 参考:ブリーダー仲介サイト等、複数社の値段から算出 2022年9月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和3年(2021年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
コーイケルホンディエの歴史
コーイケルホンディエは、オランダ原産の小型犬で、18世紀ごろにはカモ猟(コイケル)をしていました。尾を振りながらカモをおびき寄せ、鳥猟網に追い込む役目を担っていたと言われます。
かつては絶滅を危惧された犬種で、第二次世界大戦時には世界に5頭しか残っていなかったと言われます。Baronesseというブリーダーの女性が、血統の再興に乗り出したことで絶滅を回避することができました。
近親交配が多くなったためか、遺伝性疾患の多い犬としても知られています。現在でもDNA検査が積極的に行われ、ブリーディングには特に注意が必要であるとされる犬種です。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
2 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |