
正式名称 | 柴 |
---|---|
英語名 | Shiba |
原産国 | 日本 |
カテゴリ | 小型犬 |
ズバリ一言 |
端整な顔立ちと巻尾が特徴 冬季はモフモフの触り心地 人気No.1の日本犬です |
記事内容 |
柴犬の飼い方や特徴、歴史、 病気の例などを紹介します🐶 |
柴犬の特徴
柴犬は小さくピンと張った立ち耳と、クルッとした巻き尾が特徴的な日本犬です。一見、同じに見える巻き尾ですが、左巻きや右巻き、さし尾など形態が異なります。体毛は、赤、黒褐色、胡麻、黒胡麻、赤胡麻となります。かたい上毛とやわらかい短毛のダブルコートで、冬の寒さにも比較的強い傾向にあります。季節の変わり目には、たくさんの毛が抜けて生え換わります。
犬種標準のサイズ | 体高37~40cm |
---|---|
体重 | 8~10kg |
分類 | 小型犬 |
平均寿命 | 12〜15年 |
価格相場 | 20万〜30万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ複数社の値段から算出 2021年8月inuteマガジン編集部調べ
柴犬は「小さいもの(犬)」という意味もあります。柴犬の歴史は長く、日本本州のさまざまな土地で飼われ、狩りや番犬として活躍してきました。その土地ごとに柴犬の風貌は異なり、その中でもキツネ顔(縄文柴)とタヌキ顔(新柴犬)と呼ばれるような顔つきの違いがあります。
一般的にキツネ顔の柴犬は額段が浅く、広くて平らな額を持ち、細く筋肉質な体型をしています。一方、タヌキ顔の柴犬は額段が深く、やや長方形で筋肉質であることがスタンダードとされています。
柴犬と似た特徴を持つ犬種としては、下記の3犬種などが挙げられます。
- より大型の日本犬「秋田犬」 >>秋田犬の記事はこちら
- 同等の大きさで短毛の洋犬「コーギー」 >>コーギーの記事はこちら
- 同等の大きさで超短毛の洋犬「ビーグル」 >>ビーグルの記事はこちら
柴犬の性格
柴犬は、優秀な猟犬として長く存在してきた犬です。獲物を目の前にして猟師がいないとき、または猟師がいても十分な命令を出さないとき、自分の判断で行動する犬種です。
こういった自立心の強いところが柴犬の、家庭犬としての難しい一面であると言われます。洋犬と比較しても、寄り添って甘えるよりは、家族に対してもクールに接します。
しかし、服従心や忠実さはあり、保守的で防衛心が強いので、テリトリーをむやみに犯す他人や他犬には厳しい態度を見せます。
柴犬の飼い方
散歩については、毎日2回、各30分~1時間程度が目安となります。柴犬は見た目以上の体力がある個体が多いので、しっかり散歩や遊び(ボールなど)で発散させてあげましょう。特に遊びにあまり興味を示さない個体もいますが、人間とのコミュニケーションや運動には重要です。ぜひ、子供の頃から慣れさせてあげましょう。
柴犬のしつけ
柴犬は学習能力が高く、慣れた環境では精神的にも安定した犬種です。しかし同時に、頑固で警戒心が強い特徴があります。
そのため、まずは人や犬に対しての社会性を身につけさせる必要があります。特に子犬の時期から、散歩等を通じて他の犬と触れ合う経験をさせ、飼い主以外の人からも触られる練習をすることが必要です。触られることに慣れておくと、動物病院での診察でも比較的に落ち着けるようになります。
一方、訓練するときは、規則を一貫して守らせることが重要です。一度でも規則を破らせると、「規則は破ってもいいもの!」と学習してしまうため、注意が必要です。首尾一貫して飼い主との上下関係を意識し、けじめをつけるようにしましょう。ただし、感情的に叱りすぎると、犬からの信頼を失ってしまことがありますので、飼い主の方が常に冷静にトレーニングを行うようにしましょう。
柴犬のお手入れ
柴犬には、トリミングの必要はありませんが、頻繁なブラッシングが必要です。短毛ですが、特に換毛期には抜け毛が多くなります。
通常は週に2~3回、換毛期には毎日ブラッシングをしてあげましょう。
柴犬がかかりやすい病気の例
柴犬がかかりやすい3つの病気について紹介します。
皮膚疾患
柴犬は皮膚疾患の多い犬種として知られています。発症率は10%程度と言われ、夏から秋にかけて生まれた子に好発すると言われています。
1-2歳までの年齢に症状を示すことが多く、その症状や原因は多様で、マラセチアなどの真菌が原因であるもの、内分泌疾患によるもの、食物アレルギーや接触アレルギー、原因不明のアトピーまで非常に多くの種類の皮膚病を好発します。かゆみや発赤と共に、脱毛を起こすこともしばしばあります。
予防としては、以下の3点が有効です。
- ブラッシングを丁寧に、こまめに行う
- 犬の居場所を清潔に管理する
- アレルギー検査を行う
3点目は、特に動物病院でアレルギーが疑われる場合に有効です。アレルギー対象を特定し、適切な食事管理等をしてあげましょう。
緑内障
柴犬は、緑内障の好発犬種としても知られています。緑内障とは、眼内を流れる液体(眼房水)の排出量が低下し、眼内圧が上昇することで起こります。柴犬は遺伝的に眼房水の排出口である隅角の形成不全を伴いやすいとされています。
眼圧の上昇に伴い、失明(24-72時間で光を失う)や痛みを伴うとされ、緊急性の高い疾患です。とにかく早く病院に連れて行くことをお勧めします。
認知症
柴犬は、長寿の個体では15歳以上になることもありますが、高齢になると認知症の症状が出ることがあります。ボール遊びなどで好奇心を刺激したり、生活リズムを保つためにゆっくり歩きでも散歩に連れ出すことが予防になるとされています。
柴犬を家族に迎える方法と価格
柴犬を迎える方法をご紹介します。
一般的な3つの方法
ペットショップから購入する
国内での人気が高い柴犬は、多くのペットショップで入手することができます。カラーも赤、黒、白、胡麻といったバリエーションがあり、好みの子犬を見つけることができます。しかしながら、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質、体質については親犬の情報を知ることが必要です。
ブリーダーから購入する
ブリーダーは親犬を飼育し繁殖をしているため、親犬の性格や気質をよく理解しています。親犬を見せてもらえるようなら、実際にどのくらいの大きさか、どんな性格をしているかなどに注目してみると良いでしょう。繁殖のタイミングが合わない場合、子犬を飼いたい!と思ったときに、特定のブリーダーに子犬がいない場合もあります。飼い始めるタイミングが事前に分かった段階で、気になるブリーダーにコンタクトしてみましょう。人気のブリーダーは予約待ちといったこともありますのでご注意ください。
保護犬の里親になる
保健所やNPOに保護されている保護犬の里親になることで、飼い主のいない柴犬を受け入れてあげることもできます。
一般的に保護犬は、元の飼い主との別れを経験しており、過去の経験から攻撃的になっていたり、愛情表現が少ない個体も多くいます。柴犬の場合、元来の神経質な性格から、新しい環境に適応するには時間がかかる性格であるため、受け入れる際にはなるべくストレスを軽減してあげることが重要です。施設担当者へのヒアリングから個体の性格や行動傾向を理解してあげましょう。また、事前に複数回面会して、お互いのマッチングを確認してみることがおすすめです。
特に柴犬を飼ったことのない方は、事前の心構えをしておくことが重要です。「里親になったけれど飼いきれない」という状況は避けなければなりません。柴犬の性格や個体の特性をよく理解し、事前の心構えとめいっぱいの愛情を持って、受け入れてあげていただければと思います。
柴犬の価格
柴犬は中型犬ですので小型犬に比べかかる金額も大きくなります。
ペットショップの場合は平均20万~30万円程度、ブリーダーの場合は、15万円~30万円程度です。ショップやブリーダーによっても差があります。
また、柴犬をはじめとする中型犬の飼育費用は、医療費を含め月間約1万2千円程度かかります。病気やケガの内容によっては、さらに医療費がかかる可能性がありますので、事前の準備と心構えをしておきましょう。
ペットショップでの購入価格 | 20万円~30万円 ※2 |
---|---|
ブリーダーからの購入価格 | 15万円~30万円 ※2 |
月間飼育費用(医療費含む) | 平均11,890円(小型犬 n=300) ※3 |
※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年8月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
柴犬の歴史
柴犬の祖先は縄文時代に南方から入ってきた犬と弥生時代に大陸から入ってきた犬が混じり合った犬種で、特に日本海に面した山岳地方の犬で、ずっと人と生活を共にしてきました。
近代は市街地では家庭犬、山間部では小動物を狩る猟犬として働いていましたが、明治から大正にかけてイギリスから狩猟用に輸入された洋犬が流行となって交雑化が始まり、昭和のはじめには純粋な日本犬は僅かとなってしまいました。 これを危惧した人たちから日本犬を絶滅から守ろうとする動きが始まって1928年、日本犬保存会が発足、1936年に柴犬は国の天然記念物に指定されました。
それから間もなく戦争が始まり、戦時中には食糧難や、毛皮として召し出されるなどして保護もままならず、戦後にはジステンバーの大流行で、種そのものの存続すら危うくなりました。 この危機は、各地にかろうじて残っていた地柴を交配させて持ちこたえましたが、異なる地域の地柴を交配したため、その後は犬種としての安定をはかる作業が待ち受けていました。 長年にわたる地道な計画繁殖の結果、犬種の標準値も安定し、現在よく見る姿の柴犬へと発展したのです。
柴犬との楽しい日々を
柴犬は、三角の立ち耳、くるんと巻いた尾、飼い主に忠実などから、世界でも人気のある犬種の1つになっています。ほかの犬種では見られない様々な魅力に惹かれ、もう柴犬しか飼えない!なんて思う方も多いのではないでしょうか。ぜひ柴犬のルーツや行動特性について学び、柴犬との楽しい生活を送ってください。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
---|---|---|---|
1 | 「世界の犬種大図鑑」 | 誠文堂新光社 | 藤田りか子(著) |
2 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
3 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |