
正式名称 | ダックスフンド |
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英語名 | Dachshund |
原産国 | ドイツ |
カテゴリ | 小型犬 |
ズバリ一言 |
胴長で短い足が可愛らしい 抱っこのときはお尻を支えて! 賢くて遊び好きな子たちです |
記事内容 |
ミニチュアダックスフンドの飼い方 歴史や病気の例などを紹介します🐶 |
ミニチュアダックスフンドの特徴
ミニチュアダックスフンドは、体長が体高の2倍の長さである短足胴長の体型で、垂れ耳かつ中くらいの長さのマズルを持つ小型犬です。
毛(被毛)は「スムースヘアード(短毛)」「ロングヘアード(柔らかくて長い)」「ワイヤーヘアード(硬毛で長い)」の3種類があり、抜け毛の多い犬種としても知られています。
平均寿命は12〜16年であり、一般的な犬の寿命と比較すると少し長く、長寿と言える犬種です。
犬種標準のサイズ | 胸囲30~35㎝ |
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体重 | 5㎏以下 |
分類 | 小型犬 |
平均寿命 | 12〜16年 | 価格相場 | 20万〜50万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ複数社の値段から算出 2021年8月inuteマガジン編集部調べ
ダックスフンドは3種類
ダックスフンドは大きさによって「カニンヘン」「ミニチュア」「スタンダード」の3種類に分類され、生後15か月を経過した時点で胸囲30~35cmの犬がミニチュアダックスフンドと呼ばれています。
ダックスフンドの原産国ドイツでは上記の3種類に分類されますが、アメリカやイギリスなどでは「カニンヘン」と「ミニチュア」をまとめて同じ分類としてるようです。
種類 | 体重 | 胸囲 | カテゴリ |
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カニンヘン | 3.2kg~3.5kg | ~30cm | (超)小型犬 |
ミニチュア | ~5kg | 30cm~35cm | 小型犬 |
スタンダード | 9kg~12kg | 35cm~ | 中型犬 |
ミニチュアダックスフンドの毛色
毛色は「単色」「バイカラー(2色)」「混色」に分かれており、色の種類が豊富な犬種としても知られています。
単色 | レッド・レディッシュ・イエロー・イエロー(クリーム)・シェイテッドクリーム |
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バイカラー(2色) | ブラック&タン・ブラウン&タン・ブラック&イエロー・ブラウン&イエロー |
混色 | ダップル(大理石模様)・タイガーブリンドル(縞目)・ブリンドル(縞目) |
ワイヤーヘアーのミニチュアダックスフンドは、上記の色のほかにワイルドボア、または枯葉色である「ドライリーフ」「デッドリーフ」などの単色の珍しい色も存在します。
このように、毛色が多く胴長の見た目も可愛いことがミニチュアダックスフンドの人気の理由の一つです。
ミニチュアダックスフンドの性格
甘えん坊で人懐っこく、活発かつ前向きで、めげない性格です。賢くて利口で順応性が高く、しつけや訓練は受け入れてくれます。一方で、自立心のある猟犬なので甘やかしすぎると扱い咬み癖や吠え癖が出てしまうため、注意しましょう。
ミニチュアダックスフンドの飼い方
肥満対策のためにも1日朝夕合計で1時間程度の散歩をしてあげましょう。それに加え、遊び好きなので、ボール遊びやロープの引っ張り合いなどのゲームの時間も作ってあげることがポイントです。
家族に対して愛情深い反面、外に対しては警戒心を持ち、他人や他犬に対して神経質になることがあります。
子犬の頃から社会性を学び、健康に育ってもらうための、しつけやお手入れ方法について詳しく解説します。
ミニチュアダックスフンドのしつけ
自立心の強い面があるため、甘やかしすぎると飼い主の指示に従わなくなります。遊びのなかでもしつけを通してけじめのあるコミュニケーションをとりましょう。
また、ミニチュアダックスの性格上、警戒心が強いのでインターホンの音や他の犬などに吠えやすいです。無駄吠えをしないように早い段階でしっかりトレーニングを行う必要があります。
多頭飼育の場合、集団で外に出た途端に気が強くなって騒がしくなることもあります。そのため、多頭飼育の場合は特に、飼い主のリーダーシップが問われる犬種です。
ミニチュアダックスフンドのお手入れ
被毛がダブルコートであり、換毛期には特にアンダーコート(下側の毛)がよく抜けます。ロングヘアードとワイヤードには週に2~3回以上のブラッシングが必要です。スムースでも定期的なブラッシングが推奨されます。
また、ダックスの大きな垂れ耳には、汚れが溜まりやすく、定期的な耳掃除が推奨されます。
耳掃除には、犬専用のイヤークリーナーなどをコットンなどに染み込ませて利用します。デリケートな肌を傷つけないよう、優しく汚れを拭き取るようにしましょう。
普段から、スヌードを利用することも効果的です。汚れの付着を防ぐ実用性のためだけでなく、デザインがおしゃれなことからも、利用が増えてきています。
ミニチュアダックスフンドを飼う際の注意点
本犬種を飼育する際に、特に気をつけたいポイントはこちらの5つです。
- 室内飼いのスペースを確保する
- 滑らないバリアフリー環境を作る
- 抱っこはお尻も支える
- こまめにブラッシングする
- 気温・室温に注意する
ミニチュアダックスフンドは、その胴長な体型から、ヘルニアを誘発しやすいため、注意が必要です。そのためにも、普段の住環境にも、ワンちゃん専用のスペースを作ってあげると良いでしょう。
腰に負担をかけないように、ワンちゃんが移動する場所は極力段差をなくしましょう。滑らないようフローリングは避けるべきです。また、抱っこするときは、お尻もしっかり押さえるようにしましょう。
抜け毛によるトラブルを防止するためにもこまめにブラッシングをし、散歩や食事で汚れた際には絞ったタオルで拭き取るなど常に清潔でいられるようにしてあげることがポイントです。
スムースの場合は冬の寒さには弱いので、ワンちゃん用の防寒具や衣類を着せたり部屋を適温に保ったりするなどの工夫をしてあげましょう。
ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気の例
短足の犬種にありがちな夏場の熱中症や運動不足による肥満をはじめ、ミニチュアダックスフンドを飼う際に気をつけたい病気がいくつかあります。そこで、かかりやすい病気の代表的な例を紹介します。
椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)
ミニチュアダックスフンドは、足が短く腰に負担がかかりやすいため椎間板ヘルニアを発症するリスクが高いです。
椎間板ヘルニアになる原因としては、肥満をはじめフローリングで滑ったり高い所からジャンプしたりすることも挙げられます。
ミニチュアダックスフンドは元々猟犬であり体力が多く活発なので、飼う際には腰に負担をかけないようにしつつ、しっかり運動できるような環境を整えてあげることが重要です。普段と比較して歩かない状態が続くようであれば、椎間板ヘルニアを疑いましょう。
会陰ヘルニア(えいんへるにあ)
未去勢の子に多く、男性および女性ホルモン(アンドロゲンとエストロゲン)が関与し、直腸を支えるお尻周りの筋肉が弱まり、孔が開いてしまった状態を言います。
その孔から直腸やお腹の中の臓器が入り込んでしまい、排便・排尿障害が出てしまうことがあります。
治療には外科手術が必要となります。お尻が膨らんできたと思ったらすぐに動物病院に相談へ行きましょう。
副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう 別名:クッシング症候群)
左右の腎臓の近くにある副腎というホルモン分泌臓器から、ステロイドホルモンが多量に分泌されてしまった状態を言います。
このステロイドホルモンによって肝臓や皮膚など様々な臓器に障害をもたらします。本犬種は当疾患を発症する可能性が、統計的に多いと言われています。
初期症状として、食欲増加・体重増加・多飲多尿・腹部膨満・被毛の変化などが見られます。当てはまる場合は、動物病院へ相談しにへ行きましょう。
白内障(はくないしょう)
眼球内の水晶体というレンズが白く濁ることを白内障と言います。
白内障は白濁にともない視覚の低下を示すだけではなく、眼内の炎症を引き起こし、緑内障や網膜剥離などの他疾患を引き起こし、重篤な状態へと移行することがあります。
瞳の中が白く濁っているように見えたら、動物病院で相談してみましょう。
進行性網膜萎縮(しんこうせいもうまくいしゅく)
光を感じ取る網膜の遺伝性疾患で、数カ月から数年をかけて徐々に視覚が低下する病気です。
本犬種は当疾患の好発犬種として知られています。若齢期(3-5歳ほど)に眼検査で所見の変化がみられることがありますが、残念ながら普段の診察で網膜検査まで行わず、発見が遅れることが多いです。
当疾患は有効な治療法はなく、進行抑制を期待して抗酸化作用のサプリメントを使用していくことが多いです。さらに白内障を誘発するため、定期的な眼内検査も必要となります。
初期症状として、夜盲症(暗闇で見づらくなる)から始まることが多いため、夕方の散歩や消灯後にだけ物にぶつかる様子があった際には、動物病院に相談しましょう。
ミニチュアダックスフンドの歴史
中世の頃に作出されたとされるダックスフンドは、原産国のドイツでは3つのサイズに分けられていて、ドイツ語読みだと「ダックスフント」と呼ばれています。
他のダックス種同様、ミニチュアダックスも猟犬で、嗅覚を使って獲物を探索し追い詰めるハウンドドッグです。ミニチュアダックスは3種の中間サイズということもあり、自分の体より大きいアナグマ猟から小さなウサギ狩りまで、幅広く活躍してきました。
現在では小型犬の中でもトイプードルと並んで人気の犬種となっています。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「世界の犬種大図鑑」 | 誠文堂新光社 | 藤田りか子(著) |
2 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
3 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |