
正式名称 | ラブラドール・レトリーバー |
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英語名 | Labrador Retriever |
原産国 | イギリス |
カテゴリ | 大型犬 |
ズバリ一言 |
スポーツ万能で遊び好き 水が大好きで泳ぎ上手 高い知性も併せ持つ |
記事内容 |
ラブラドール・レトリーバーの飼い方 歴史や病気の例などを紹介します🐶 |
ラブラドール・レトリーバーの特徴
ラブラドール・レトリーバー(英語名:Labrador Retriever)は、イギリス原産の大型犬です。高い知性と優しい性格から、人気の高い大型犬種です。
筋肉質で均整の取れた体格を持ち、活発に活動します。盲導犬としても活躍し、人間と協調した作業が得意です。フリスビーやボール遊び、そして水遊びが大好きな犬種です。
犬種標準のサイズ | 体高 55~62cm |
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体重 | 25~34kg |
分類 | 大型犬 |
平均寿命 | 10~12年 |
価格相場 | 25万〜35万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年10月inuteマガジン編集部調べ
ラブラドール・レトリーバーと似た特徴を持つ犬種として、下記の3犬種を紹介します。
- モフモフで有名な日本犬「秋田犬」
- 金色の美しい被毛「ゴールデン・レトリーバー」
- 高い知性と運動能力「シェパード」
ラブラドール・レトリーバーの毛色
被毛の色合いは、ブラック、チョコレート、イエローの3種に大別されます。
ブラックは「黒ラブ」、チョコレートは「チョコラブ」の愛称で親しまれます。イエローはクリーム色から赤みのあるきつね色まで、総じて「イエローラブ」と言われます。
ラブラドール・レトリーバーの性格
知性の高さと優しい性格を持つため、しつけが入りやすく、飼い主や家族に従順です。
一方、しつけをしていないと自ら学習して無駄吠えや咬み癖等の問題行動が出ることがあります。興奮しやすい子もいるため、子犬の頃からのしつけが重要です。
ラブラドール・レトリーバーの飼い方
筋肉質でエネルギッシュ、とても活発に動きます。とにかく食欲旺盛なのが特徴で、エネルギー消費が不十分だと肥満になります。肥満になると、腰や股関節の疾患につながるため、注意しましょう。
毎日朝夕2回、60分以上は散歩に行き、自由運動も取り入れます。パピーの頃からボール遊び、フリスビーに慣れさせておきましょう。
泳ぎ上手な子が多いため、定期的に犬用プールで遊ばせるのもおすすめです。泳がせる際には、ライフジャケットとロングリードを付け、遠くからでも引き寄せられるようにしましょう。
食事は、与えれば際限なく食べます。そのため毎回の食事量を獣医と相談し、飼い主が正確に食事管理をしてあげましょう。
ラブラドール・レトリーバーのしつけ
あらゆる作業(麻薬探知犬や盲導犬など)に適性のある犬種です。基本的に優しい性格ですが、仕事への情熱から常にテンションが高く、しつけが不十分だと無駄吠えや咬み癖が出る場合があります。
子犬の頃からのしつけが重要で、問題行動の兆しが出たら根気よく注意し、ちゃんと我慢できたらたくさん褒めてあげるようにしましょう。
感情を制御する練習も重要です。幼犬の頃から散歩を通じて他の人や犬、周囲の環境に慣れさせましょう。社会化が進めば、興奮することも少なくなります。
ラブラドール・レトリーバーのお手入れ
下記の頻度を目安として、定期的にお手入れをしてあげましょう。
ブラッシング | 週2~3回 |
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シャンプー | 月1回 | トリミング | 不要 |
ラブラドール・レトリーバーの被毛はダブルコートで、年2回ある換毛期には大量に抜けます。ブラッシングは週2~3回、換毛期には毎日しましょう。
ラブラドール・レトリーバーのブラッシングには、主にラバーブラシとコームを利用します。換毛期には、スリッカーブラシが死毛の除去に効果的ですが、肌を傷つけないよう注意しましょう。
シャンプーは月に1回程度、行うようにしましょう。犬専用シャンプーを用いて、37℃くらいのお湯が良いとされます。
その後は吸水性の良いタオルでよく拭いた後、適宜ドライヤーなども利用してしっかり乾燥させるようにしましょう。
ただし、シャンプーは頻繁に行うことは禁物です。汚れを落とすには効果的ですが、皮脂を落としすぎて、かえって肌トラブルの原因となる可能性があります。
ラブラドール・レトリーバーがかかりやすい病気の例
骨格に関する疾患
- 骨軟骨症(こつなんこつしょう)
- 離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)
- 股関節・肘関節形成異常(こかんせつ・ちゅうかんせつけいせいいじょう)
- 肥大性骨形成異常(ひだいせいこつけいせいいじょう)
- その他にも複数
これらの疾患は様々な原因で起こりますが、要因の一つに仔犬期(0~6カ月齢)の過剰なエネルギー摂取(特にカルシウム)によって発症率が上がるとされています。
仔犬期は過剰に摂取したカルシウムを調節する機能が弱いため、ごはんに含まれるカルシウム量をそのまま吸収してしまいます。
予防のためには、仔犬期には大型犬用の仔犬フード(エネルギー量が調節されているもの)を与えることをおすすめします。
また、肥満も骨や関節に負担をかけるため、体重管理には注意を払いましょう。
腫瘍をともなう疾患
- 皮膚組織球種(ひふそしききゅうしゅ)
- 血管肉腫(けっかんにくしゅ)
- 肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)
- リンパ腫(りんぱしゅ)
- 骨肉腫(こつにくしゅ)
- 角膜輪部メラノーマ(かくまくりんぶめらのーま)
- その他にも複数
本犬種は腫瘍性の疾患が多い犬種です。腫瘍は早期発見・早期治療が極めて重要なため、定期的な健康診断を受け、変化に気付いたときには早めに動物病院へ相談しましょう。
胃拡張-胃捻転症候群(いかくちょう-いねんてんしょうこうぐん)
胃の拡張にともない、胃全体が捻じれる緊急疾患で、死亡率の高い疾患です。
症状としては、胃拡張による周辺血管の圧迫や胃捻転により、周辺臓器の血の巡りが悪くなります。その後、胃・脾臓壊死などの重篤な状態へと移行します。
予防のためには、食事の与え方やタイミングを変えることが有効とされています。普段から以下の点に注意して食事を与えることをおすすめします。
- 運動前は食事・おやつを控える
- 食事前後は興奮させない
- 複数回に分けて少しずつ食事を与える
- 早食い防止用の食器を使用する
補足:2点目の「食事前後は興奮させない」は、”呑気”と呼ばれる空気の飲込みを軽減することが目的です。
補足:4点目の「早食い防止用の食器を使用する」は、内側に突起のある早食い防止食器を利用し、あえて食べづらくして食事ペースを調整することができます。
本疾患を発症した際には、いかに早く治療が開始できるかが命を救うカギになります。「食後にお腹が膨らんできた」「吐く仕草があるのに吐かない」などの症状が見られたときは、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)
甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンの分泌が欠乏した状態を言います。
甲状腺ホルモンは、身体の活力を上げてくれる(代謝に関与)ホルモンであるため、活動性の低下・覇気のない顔貌・脱毛・肥満など様々な症状を示します。
本疾患は、血液検査で発見が可能です。上記のような症状が認められる場合は動物病院へ相談し、検査や診療をしてもらいましょう。
進行性網膜萎縮(しんこうせいもうまくいしゅく)
光を感じる網膜の遺伝性疾患で、数カ月から数年をかけて徐々に視覚が低下する病気です。
症状としては、4~6歳ごろから夜盲症(暗闇での視覚低下)がみられ6~8歳で重度の視覚障害へと移行するとされています。
現状、有効な治療法がなく、進行抑制を目的とした抗酸化サプリメントの服用を行うことがあります。
ラブラドール・レトリーバーの価格
購入価格 | 25万~35万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均12,563円(中・大型犬 n=109) ※3 |
※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年9月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
ラブラドール・レトリーバーの歴史
ラブラドール・レトリーバーの原産国はイギリスです。諸説ありますが、16世紀頃に北欧やイギリスから北米に出漁した船に同乗し、カナダのラブラドル半島に渡った犬が先祖犬と言われます。
長い間、海辺で海中に落ちた網や、網からこぼれた魚を回収する使役犬でしたが、その姿を見たイギリスの貴族が持ち帰り、自国で狩猟で水鳥を回収する役割(レトリーバー)を与えました。
それからイギリスで繁殖と選択交配が進められ、19世紀末頃には今のラブラドール・レトリーバーの姿になっていたと言われます。
ラブラドール・レトリーバーとの楽しい日々を
筋肉質でがっしりした体格と、優しい性格、そして盲導犬としても活躍できるほど高い知性を持ちます。大型犬では、国内外で最も人気の高い犬種です。
ラブラドール・レトリーバーの特性や飼育する際のポイントを学び、ラブラドール・レトリーバーとの楽しい生活をお過ごしください。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「世界の犬種大図鑑」 | 誠文堂新光社 | 藤田りか子(著) |
2 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
3 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |