
正式名称 | ウェルシュ・コーギー |
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英語名 | Welsh Corgi |
原産国 | イギリス |
カテゴリ | 中型犬 |
ズバリ一言 |
胴長短足、てちてち歩きが可愛い 実は筋肉質でとてもエネルギッシュ とても賢く物覚えの良い子たちです |
記事内容 |
ウェルシュ・コーギーの飼い方や、 病気の例などを紹介します🐶 |
ウェルシュ・コーギーの特徴
ウェルシュ・コーギー(英語名:Welsh Corgi)は、イギリス原産の中型犬です。ペンブロークとカーディガンの2種が登録されており、本記事では総じてウェルシュ・コーギーとして紹介します。
大きな立ち耳と長いマズルを持ち、胴長・短足の体型が印象的です。背は低いものの、中型犬の体重とパワーを持っています。
性格は賢く物覚えが良いですが、一般的には興奮しやすい特徴があり、注意が必要です。牧牛犬の本能を受け継ぎ、動くものを追いかける習性があります。
尻尾がないイメージがありますが、実は牛に踏まれて怪我をしないように、昔から断尾する習慣があるため、今も断尾された子が多い傾向にあります。
犬種標準のサイズ | 体高 25.5~30.5cm |
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体重 | 10~15kg |
分類 | 中型犬 |
平均寿命 | 12~15年 |
価格相場 | 35万〜40万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年11月inuteマガジン編集部調べ
ウェルシュ・コーギーと似た特徴を持つ犬種を紹介します。
- 胴長短足たれ耳が可愛い「ダックスフンド」
- 運動神経抜群!「ジャック・ラッセル・テリア」
- スヌーピーのモデル犬「ビーグル」
ウェルシュ・コーギーの毛色
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
メインは、レッド、セーブル、フォーン、ブラック、ブラック&タンの毛色があります。その他に、頭、頸、前胸、四肢に白色の被毛が入ります。
ウェルシュ・コーギー・カーディガン
メインは、ブラック、ブラック&タン、セーブルなど様々です。ペンブローク同様、頭、頸、前胸、四肢、尾に白色の被毛が入ります。
ウェルシュ・コーギーの性格
明るく元気で遊び好きな性格で、他の人や犬に対しても社交的ですが、興奮しやすく、牧牛犬の気質から動くものを追いかける習性があります。
知性が高く物覚えが良いため、しつけは入りやすい傾向にあります。興奮時の吠えや追い回しを制御するため、「マテ」を始めとした基本指示が通るようしつけましょう。
コーギーは性格が悪い、とネガティブな印象を持たれることがありますが、実際には牧牛犬として動くものを追い立てる習性から来ていると思われます。
きちんとしつけをすれば、明るく元気で協調性のあるコミュニケーションを取れる子たちです。なお、具体的な飼い方のコツとしつけについては、後述します。
ウェルシュ・コーギーの飼い方
元気で活発な子が多く、見た目以上に体力があります。毎日60分以上は散歩をさせるようにしましょう。
胴長な体型から、脊椎や腰椎に負担がかかり、ヘルニアになりやすい犬種です。肥満になるとさらに腰に負担がかかるため、適度な運動量を保ちましょう。
運動の他に、普段の生活でもなるべく段差をなくし、滑りにくい床材を入れ、ジャンプや飛び降りる必要のない住環境を作るようにしましょう。
また、抱っこをするときにも注意が必要です。必ずしっかりお尻を支えた状態で抱っこするようにしましょう。
ウェルシュ・コーギーのしつけ
興奮しやすく動くものを吠えたり追い立てる習性があるため、吠え癖や咬み癖が出たり、他の小動物をしつこく追い回す可能性があります。
家庭犬としては、自宅での吠え癖を抑制し、普段の散歩コミュニティでも協調して生活する必要があるため、意識的に社会化やトレーニングを行いましょう。
社会化
子犬の頃から意識的に散歩に連れ出し、他の人や犬に会わせて環境に慣れさせましょう。敵ではないと認識させ、興奮を自制できるよう促します。
ただし、初対面だと警戒して攻撃的になる子もいるため、犬同士のあいさつでは、必ず相手の飼い主の了解をとり、両飼い主が細心の注意を払いましょう。
トレーニング
家庭犬として、周囲と協調して生活するには無駄吠えや咬み癖を抑制する必要があります。不要に吠えるときは、おやつなどで注意をそらして静止させ、根気よく我慢させ、我慢できたら褒めてあげましょう。
咬み癖は、甘咬みも含め、飼い主が必ず注意しましょう。ただし、子犬は歯が痒くて咬む場合があるため、代わりに子犬用の専用のおもちゃを咬ませると良いでしょう。
特に興奮や追い回しを静止するためにも、どんなときにも「マテ」の指示が入るように根気よく訓練しましょう。うまくできたときには大げさにほめてあげ、習慣化を促すことが重要です。
ウェルシュ・コーギーのお手入れ
短毛種ではありますが、下記の頻度を目安に、被毛のお手入れをしてあげましょう。
ブラッシング | 週2~3回 |
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シャンプー | 月1回 | トリミング | 不要 |
ブラッシングは、週2~3回程度行いましょう。被毛は短いですがよく抜けますので、散歩の後など家に入る前にすることがおすすめです。死毛を除去することで、ムレを防ぎ体表面を衛生的に保ちます。
効果的に死毛を絡め取るため、主にスリッカーブラシやファーミネーターを利用します。ただ、先が尖っているため、ペン持ちで優しく扱い、肌を傷つけないよう気をつけましょう。
シャンプーは、月に1回程度行いましょう。犬の専用シャンプーを用いて、35~37℃のぬるま湯で洗います。犬の肌は、人間よりとても薄くデリケートなため、薬剤や力の入れ方に注意しましょう。
シャンプーした後は、吸水性の良いタオルでよく拭き、ドライヤーを利用して下毛までしっかり乾燥させましょう。湿気が残るとムレて細菌が増える可能性があります。
一方、頻繁にシャンプーすると皮脂が減り、かえって肌トラブルが起こる可能性があります。シャンプーは月1回程度の頻度を保ち、普段の汚れは、固く絞った濡れタオルで拭き取る程度にしましょう。
被毛のお手入れの他には、歯磨き習慣も重要です。比較的長寿の犬種でもありますので、きれいな歯を保てるようにお手入れしてあげましょう。
毎晩、飼い主が専用のガーゼやサックなどを指にはめて、丁寧に磨いてあげます。犬の歯磨きジェル等も活用し、効果的に歯垢を除去してあげましょう。
ウェルシュ・コーギーがかかりやすい病気の例
本犬種は、胴長な体型から腰椎や脊椎に負担がかかり、椎間板ヘルニアになりやすいことで知られます。発症すると、椎間板が脊髄神経を圧迫し、鋭い痛みや下半身マヒなどが起こる可能性があると言われます。
ヘルニアの原因は、ジャンプや飛び降りなどの瞬間的な負荷や、移動時に足を滑らせたときの不規則な負荷などが挙げられます。また、肥満になるとこれらの負荷がより深刻になります。
予防のためには、まずは適切な運動量を確保し、獣医に相談の上で適切な食事管理を行うことで肥満にならないようにしましょう。
また、住環境についてもなるべく段差をなくし、フローリングには滑り止めを張ったり摩擦の大きい床材を選定するなど工夫しましょう。
特に抱っこする際には、必ずお尻を支え、背骨が地面と水平になるように抱えるようにしましょう。前脚の付け根を持って抱き上げると腰に負担がかかるため、注意してください。
その他にも進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)や、皮膚無力症(ひふむりょくしょう;エーレルス・ダンロー症候群とも言う)などの難病を発症しやすいとも言われます。
定期的な健診を受け、なにか異変に気づいたときはすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
ウェルシュ・コーギーの価格
購入価格 | 35万〜40万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均12,563円(中・大型犬 n=109) ※3 |
※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年11月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
ウェルシュ・コーギーの歴史
ウェルシュ・コーギーの原産国はイギリス(ウェールズ)です。ジャパンケネルクラブにはカーディガンとペンブロークの2種が登録されています。
カーディガンは、3000年以上の歴史を持ち、当時はケルト民族の牧牛犬として活躍してきました。紀元前1200年頃に中央ヨーロッパからケルト族と一緒にウェールズに渡ってきたと言われます。
ペンブロークは、1000年以上前から牧牛犬としてウェールズのペンブルックシャー地方で飼育されていたことからその名が付きました。1934年には、それまで同一犬種とされていたカーディガンと別犬種に認定されました。
ペンブロークは、「ロイヤルドッグ」と称される通り、12世紀のヘンリ2世から今のエリザベス女王まで長く英国王室で愛されてきたイギリスの国民的犬種です。
なお、ペンブロークが家庭犬としての人気が出たのは、1930年代にジョージ6世とエリザベス女王2世が飼い始めた事がきっかけだとされています。
国際的な人気映画「英国王のスピーチ」では、吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世が描かれています。
ウェルシュ・コーギーとの充実した日々を
大きな立ち耳と胴長短足の見た目で、パワフルに動き回る姿は独特な愛らしさがあります。ぜひ、ウェルシュ・コーギーの性格や特徴、飼育の注意点などを学び、アクティブで楽しい日々をお過ごしください。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
2 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |