
正式名称 | ジャーマン・シェパード・ドッグ |
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英語名 | German Shepherd Dog |
原産国 | ドイツ |
カテゴリ | 大型犬 |
ズバリ一言 |
精悍な顔立ちと筋肉質な体型 知性と運動能力に長けた万能犬 忠誠心が強く警察犬として活躍 |
記事内容 |
ジャーマン・シェパード・ドッグの 飼い方や病気の例などを紹介します🐶 |
ジャーマン・シェパード・ドッグの特徴
ジャーマン・シェパード・ドッグ(英語名:German Shepherd Dog)は、ドイツ原産の大型犬です。大きな立ち耳と長いマズルを持ち、身体は筋肉質で、お尻が下がった独特の立ち姿をします。
知性と運動能力を併せ持ち、忠誠心が強いことも特徴です。適切なトレーニングをすれば、牧羊犬、作業犬、介助犬、そして警察犬としても活躍します。
飼い主は、子犬の頃からしっかりと社会化とトレーニングを積ませることが求められます。インストラクターの指示を仰ぎ、飼い主自身が根気よくトレーニングをしてあげると良いでしょう。
一般的にシェパードと言うと、ジャーマン・シェパード・ドッグが最も有名ですが、その他にもオーストラリアン・シェパードやホワイト・スイス・シェパード・ドッグ、ベルジアン・シェパード・ドッグ各種などの犬種が国内でも見られます。
本記事ではジャーマン・シェパード・ドッグについて、解説します。
犬種標準のサイズ | 体高 55~65cm |
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体重 | 22~40kg |
分類 | 大型犬 |
平均寿命 | 9~13年 |
価格相場 | 35万〜50万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年11月inuteマガジン編集部調べ
ジャーマン・シェパード・ドッグと似た特徴を持つ犬種として、3犬種を紹介します。
- 軍用犬・護衛犬として活躍「ドーベルマン」
- 犬ぞりレースでも活躍「シベリアン・ハスキー」
- 介助犬としても活躍「ラブラドール・レトリーバー」
ジャーマン・シェパード・ドッグの毛色
ブラック単色、またはブラウン系のマーキングが入るブラック&タンの色合いが一般的で、ときにグレーの被毛が入る子もいます。
ジャーマン・シェパード・ドッグの性格
飼い主に対しては従順な性格です。一方、警戒心が強いため、飼い主や仲間を守るための攻撃性が出る場合があります。
咬傷事故や無駄吠えを防ぐためには、飼い主が責任を持って、子犬の頃からしつけやトレーニングを行う必要があります。
ジャーマン・シェパード・ドッグの飼い方
活発で体力があるため、毎日2回、各60分以上は散歩させ、定期的にドッグランでのボール遊びなど、自由運動も取り入れましょう。
成犬になってもボールやフリスビー等の自由運動に積極的に取り組めるよう、子犬の頃から慣れさせておくと良いでしょう。
シェパードを迎えるには、自宅や近所で遊ばせられる広い場所を確保しておく必要があります。自宅の室内外での運動スペースや、特に雨季の運動場所も見繕っておきましょう。
なお、知育玩具を用いたノーズワーク(隠したトリーツなどを探す)なども覚えさせると良いです。どうしても雨が続いて運動させにくいときでも、室内である程度のエネルギーを消費させられます。
ジャーマン・シェパード・ドッグのしつけ
ジャーマン・シェパード・ドッグは、飼い主に対しては従順な性格ですが、警戒心が強いため、飼い主や仲間を守るため他の人や犬に対して攻撃的になる場合があります。
ひとたび興奮すると力強い飼い主でも制御が効かず、事故につながる可能性もあります。飼い主は細心の注意を払って、社会化やトレーニングをしましょう。
社会化
社会化には、子犬の頃から意識的に取り組みましょう。毎日の散歩で周囲の人や犬に慣れさせ、敵ではないと認識すれば、興奮を自制できるようになります。
ただし、初めての犬とあいさつさせるときには、必ず飼い主に了解をとってからにしましょう。相手の犬がびっくりして攻撃してくると、逆に反撃して怪我をさせてしまうこともあります。
トレーニング
ジャーマン・シェパード・ドッグを家庭犬として迎えるにあたっては、吠え癖や咬み癖をつけないことが第一優先です。パワフルな犬種なため、問題行動が出ると手に負えなくなる可能性があります。
吠え癖対策
無駄吠えは、縄張り意識や警戒心から、特定のものに対して起こります。例えば、チャイムや救急車の音などにも、反応しやすいです。吠え声が大きいため、癖がつくと住宅密集地では迷惑になります。
不要に吠えたときは、まずおやつなどで注意をそらして静止した上で、根気よく「これは吠えなくても良いよ」と語りかけ、我慢できたら褒めてあげましょう。
咬み癖対策
咬みつきについては、甘咬みも含め、兆候を見つけたときは、飼い主が冷静に注意しましょう。子犬は歯が痒くて咬む場合があるため、代わりに子犬用の専用のおもちゃを咬ませると良いでしょう。
その他:室内トイレ習慣
その他には、室内でのトイレ習慣をつけておくと、雨天時など屋外に出しにくいときに役立ちます。子犬の頃から室内定位置でのトイレを教えてあげましょう。
ただし、大型犬は排泄物がはみ出しやすいため、身体の2倍ほどのトイレシートを敷き、柵でコの字の囲ったトイレスペースを用意すると良いでしょう。
犬の訓練経験が少ない飼い主さんは、一度、専門のトレーナーに相談し、子犬の頃から適切にトレーニングする準備をしておきましょう。
ジャーマン・シェパード・ドッグのお手入れ
ジャーマン・シェパード・ドッグには、下記の頻度を目安に、お手入れをしてあげましょう。
ブラッシング | 毎日 |
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シャンプー | 月1~2回 | トリミング | 不要 |
ジャーマン・シェパード・ドッグのブラッシングは、毎日行いましょう。特に年2回の換毛期には、ごっそり毛が生え変わります。抜け毛が増えるため、換毛期はより丁寧にブラッシングしましょう。
ブラッシングには、主にスリッカーブラシとコームを利用します。特にスリッカーブラシは先が尖っているため、ペン持ちで優しく使いましょう。肌を傷つけると感染症の原因にもなります。
シャンプーは、散歩や屋外の遊びでついた汚れを取り除くため、月に1~2回行いましょう。肌がデリケートなため、専用シャンプーを用いて、35~37℃くらいのぬるま湯で洗ってあげます。
シャンプー後は、吸水性の良いタオルでよく拭いた後、ドライヤーを利用してしっかり乾燥させます。ジャーマン・シェパード・ドッグは下毛が密集して乾きにくいため、湿気が残らないよう注意しましょう。
ただし、頻繁にシャンプーすると皮脂が減り、かえって肌トラブルの原因となるため、頻度を守るように注意しましょう。普段の汚れは、固く絞った濡れたタオルで拭き取る程度で十分です。
その他には、一般的に歯の手入れがとても重要です。毎晩、飼い主が指で丁寧に歯磨きしましょう。歯磨きには、専用の布や手袋を用いて行い、犬の歯磨きジェル等も必要に応じて利用しましょう。
ジャーマン・シェパード・ドッグがかかりやすい病気の例
ジャーマン・シェパード・ドッグは、股関節や膝関節の形成不全、関節炎等を発症しやすいと言われます。
関節の形成不全は、1歳以下の若齢で発症することも多く、重い症状としては、不自然な歩き方をしたり、歩行困難になる場合もある疾患です。
遺伝的な要因を除けば、適切な運動量を確保し、成長に合わせた栄養管理を行うことで発症リスクを低減できると言われます。獣医・看護師の指示を仰ぎ、適切な健康管理をしましょう。
その他にも、同犬種は細菌感染による膿皮症(のうひしょう)などの皮膚トラブルも多いことで知られます。定期的な健診を受け、愛犬の異変に気づいた際にはすぐに獣医に相談しましょう。
ジャーマン・シェパード・ドッグの価格
購入価格 | 35万〜50万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均12,563円(中・大型犬 n=109) ※3 |
※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年11月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
ジャーマン・シェパード・ドッグの歴史
ジャーマン・シェパード・ドッグの原産国はドイツです。19世紀後半にドイツの山岳地帯にいた牧羊犬を、ドイツ陸軍が軍用犬として改良したことで作出されました。
今でも作出に用いられた先祖犬は、オールド・ジャーマン・シェパード・ドッグとして本犬種とは区別されて現存しています。当時から牧羊牧畜に加え、番犬や作業犬としても優秀な犬種でした。
国内でも警察犬としての活躍が有名です。その他にも実は、盲導犬や救助犬など様々な分野で活躍する万能犬として、今も人々の暮らしをサポートしてくれています。
ジャーマン・シェパード・ドッグとの充実した日々を
凛々しい顔立ちと立ち姿、知性と運動能力を併せ持つ万能犬として、特に海外では人気の高い犬種です。筆者も含め、根強いファンが多い犬種です。
ジャーマン・シェパード・ドッグの性格や特徴、飼育の注意点などを学び、活発で楽しい日々をお過ごしください。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
2 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |