ドーベルマンの性格や特徴は?寿命や飼い方、気をつけたい病気

ドーベルマン

正式名称 ドーベルマン
英語名 Doberman
原産国 ドイツ
カテゴリ 大型犬
ズバリ一言 精悍な顔立ちと筋肉質な体型
穏やかな性格で飼い主に従順
警察犬・軍用犬としても活躍
記事内容 ドーベルマンの飼い方のコツや歴史、
病気の例などを紹介します🐶


ドーベルマンの特徴

ドーベルマン(英語名:Doberman)は、ドイツ原産の大型犬です。精悍な顔立ちと筋肉質な体型で抜群の運動能力を持ちます。

理想的な護衛犬(ガード・ドッグ)を目指して作出された経緯を持ち、性格は穏やかで聡明です。ただし、護衛のための攻撃性を持ちますので、咬傷事故を起こさぬよう、トレーニングが必要です。

現在も護衛犬や警察犬や軍用犬として、人と協調して仕事をこなす使役犬として活躍しています。

以前は断耳、断尾の風習がありましたが、近年は断耳や断尾は行わない飼い主が増えています。

犬種標準のサイズ体高 61~71cm
体重27~41kg
分類大型犬
平均寿命10~13年
価格相場40万〜50万円 ※1

※1 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年10月inuteマガジン編集部調べ

ドーベルマンと似た特徴を持つ犬種として、下記の3犬種を紹介します。

ドーベルマンの毛色

ドーベルマンの被毛は、主にブラックまたはブラウンの色合いを持ちます。部分的(眉、頬、胸、マズル、四肢、尾など)に赤褐色が入ります。

ドーベルマンの性格

ドーベルマンは、聡明な性格で、飼い主や家族には従順です。一方、警戒心が強く、飼い主や仲間を守るための攻撃性が出る場合があります。

咬み付きによる事故を起こさないために、飼い主が責任を持って子犬の頃からしつけやトレーニングを行う必要があります。

公園のドーベルマン

ドーベルマンの飼い方

ドーベルマンは、筋肉量も体力もあるため、毎日2回、60分以上は散歩させましょう。

また、散歩に加えて、定期的にドッグランでのボール遊びなど、自由運動も取り入れましょう。ボールやフリスビー遊びに、子犬の頃から慣れさせましょう。

円滑にドーベルマンを迎えるためには、自宅や近所で遊ばせられる広い場所を見つけておくことが必要です。

ドーベルマンのしつけ

ドーベルマンは、飼い主に対しては従順な性格ですが、警戒心が強く、護衛のため他の人や犬に対して攻撃的になる場合があります。咬傷事故を起こさないためのしつけが重要です。

まずは、子犬の頃から、社会化をしてあげることが必要です。散歩を通じて周囲の環境に慣れさせ、他の人や犬が敵ではないと認識させます。

また、縄張り意識から、自宅から外に見える(聴こえる)ものに攻撃的に反応する場合があります。毅然として注意し、我慢できたら褒めてあげましょう。

ドーベルマンは知性が高いため、基本的にしつけは入りやすいです。飼い主が根気よく言い聞かせれば、問題行動も改善するケースが多いです。

ドーベルマンを初めて飼う飼い主さんやしつけに不安がある方は、トレーナーに相談し、子犬の頃からプロのトレーニングを積ませるようにしましょう。

ドーベルマンのお手入れ

ドーベルマンには、下表にある頻度を目安に、お手入れをしてあげましょう。

ブラッシング週2~3回
シャンプー月1回
トリミング不要

ドーベルマンのブラッシングは、週に2~3回程度、行いましょう。

ドーベルマンの被毛は短いため、主にラバーブラシを利用します。マッサージ効果による血行促進も期待でき、体表面の健全性保持に効果的です。

散歩や屋外の遊びでついた汚れを取り除くため、月に1回程度、シャンプーをします。専用シャンプーを用いて、35~37℃くらいのぬるま湯で洗ってあげましょう。

シャンプー後は、吸水性の良いタオルでよく拭いた後、適宜ドライヤーなども利用してしっかり乾燥させるようにします。

頻繁にシャンプーすると皮脂を落としすぎて、かえって肌トラブルの原因となるため、注意しましょう。普段の散歩でついた汚れを取る際は、濡れたタオルなどで拭き取るのが簡便です。

ボール遊びをするドーベルマン

ドーベルマンがかかりやすい病気の例

ドーベルマンは、ウォブラー症候群、拡張型心筋症(かくちょうがたしんきんしょう)、胃拡張-胃捻転症候群(いかくちょう-いねんてんしょうこうぐん)を発症しやすいと言われます。

ウォブラー症候群

ドーベルマンはウォブラー症候群の好発犬種として知られます。頸部の痛みを伴うため、首の動作を避けるようになります。

兆候としては、「頭部を低い位置に保持する、歩行異常が生じる」などがあります。変化に気づいた際には、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

拡張型心筋症
(かくちょうがたしんきんしょう)

本疾患を発症すると、心筋が薄くなることで心臓のポンプ機能が低下し、血液の循環が悪くなってしまいます。これにより、食欲低下や肺水腫、呼吸困難などの症状が出てくるとされます。

心筋の異常が進行すると、不整脈をともない、急にふらつく、虚脱状態になる、失神する、といった症状が見られ、最悪の場合には突然死する場合もあるとされます。

原因は不明ですが、加齢にともなって発生率が高まると言われます。治療は、内科的治療が主となります。進行性の疾患であるため、早期の発見が重要です。

早期発見のためには、特に成犬になったら毎年の心臓検診を受けるようにしましょう。弁の閉鎖不全症をともなう場合もあり、検診時の聴診で発見されることもあると言います。

胃拡張-胃捻転症候群
(いかくちょう-いねんてんしょうこうぐん)

本疾患は、胃拡張による周辺血管の圧迫や胃捻転により、周辺臓器の血行が悪化します。その結果、胃や脾臓が壊死するなど多臓器不全を起こす、死亡率の高い緊急疾患です。

予防のためには、日頃の食事の際に、特に以下の点に注意しましょう。

  • 食事前後は興奮させない
  • 早食い防止用の食器を使用する
  • 複数回に小分けにして食事を与える
  • 運動前は食事・おやつを控える

補足:「食事前後は興奮させない」は、”呑気”と呼ばれる空気の飲込みを軽減するために必要です。

補足:「早食い防止用の食器を使用する」は、あえて食べづらい設計の食器(器の内側に突起物)を利用することで、愛犬の食事ペースを調整することができます。

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以上の疾患はあくまで一例に過ぎず、他の疾患、症状が見られる場合があります。定期的な健診を受け、異変を感じた際にためらわず獣医に相談しましょう。

ドーベルマンの子犬

ドーベルマンの価格

購入価格40万~50万円 ※2
月間飼育費用(医療費含む)平均12,563円(中・大型犬 n=109) ※3

※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年9月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会

ドーベルマンの歴史

ドーベルマンの原産国はドイツです。19世紀にジャーマン・ピンシャーやロットワイラーなどが交配され、作出されました。以降、護衛犬、警備犬として改良されていきました。

ドーベルマンという名前は、作出したブリーダー、カール・フリードリヒ・ルイス・ドーベルマン氏に由来します。税務職員であった同氏が、優秀な護衛犬を作り出すために計画し、作出したと言われます。

ドーベルマンは、護衛犬や警察犬として活躍し、戦時中は軍用犬としても戦地に赴き、活躍しました。戦後はアメリカでの人気が高まり、多くの家庭で飼育されるようになりました。

哀愁漂うドーベルマン

ドーベルマンとの楽しい日々を

精悍な顔立ちと筋肉質な体つき、知的で従順な性格から、特に海外では人気の高い犬種です。

ドーベルマンの性格や特徴、飼育の注意点などを学び、ドーベルマンとの充実した生活をお過ごしください。

参照文献

No.タイトル出版社著者・監修
1「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」メイツ出版奥田香代(監修)
2「日本と世界の犬のカタログ」成美堂出版福山貴昭(監修)

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