
正式名称 | 紀州 |
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英語名 | Kishu |
原産国 | 日本 |
カテゴリ | 中型犬 |
ズバリ一言 |
日本を代表する白い猟犬 飼い主に従順な番犬気質 いざとなれば勇猛果敢です |
記事内容 |
紀州犬の飼い方のコツや歴史、 病気の例などを紹介します🐶 |
紀州犬の特徴
紀州犬(英語名:Kishu)は、日本原産の中型犬です。均整の取れた頑健な体型と白い毛並、吊り目のキリッとした表情が印象的です。
猟犬気質を残しており、飼い主には従順ですが誰にでもなつくわけではありません。ときには周囲の人や犬に勇猛果敢に威嚇(いかく)することもあります。
本犬種は1934年に、日本の天然記念物に指定されました。このとき、猟犬としての適性から被毛は白に統一する方向性が示された影響もあり、白色の子が多いとされます。
犬種標準のサイズ | 体高 46~55cm |
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体重 | 15~25kg |
分類 | 中型犬 |
平均寿命 | 13~15年 |
価格相場 | 15万〜25万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年10月inuteマガジン編集部調べ
紀州犬は、比較的に病気にも強い犬種と言われ、平均寿命が長い傾向にあります。
血統としてはスピッツ系で、柴犬や秋田犬のようないわゆる日本犬種らしい見た目や性格をしています。
その他に、紀州犬と似た性格や特徴を持つ犬種を以下に紹介します。
紀州犬の毛色
被毛は白色の子が最も多いですが、赤茶色や胡麻色の子もいます。猟をする際に、山の中でも目立つことから、白色の個体が好まれ選好して繁殖された経緯があります。
紀州犬の性格
歴史的にも猟犬として活躍した犬種で、そのときの性格を色濃く引き継いでいます。そのため、飼い主には従順な性格ですが、警戒心が強い傾向にあります。
警戒心が強いため、吠え癖や咬み癖が出ることがあり、家庭犬として飼育する際には注意が必要です。子犬の頃からの社会化・しつけをするようにしましょう。
紀州犬の飼い方
筋肉質で持久力がある犬種です。そのため、日々の運動量は意識的に確保しましょう。散歩は、毎日60分以上を目安にしましょう。
紀州犬は、寒さに強く、暑さに弱い犬種です。そのため、真夏の暑い時期は、外飼いの場合や散歩に連れ出す際には、熱中症対策が必要です。
専用の冷却グッズなどを用いて、体温調節をサポートしてあげるようにしましょう。
紀州犬のしつけ
猟犬気質で、飼い主に対しては従順ですが、警戒心の強い子たちです。家庭犬としては、無駄吠えや咬傷事故を防ぐため、子犬の頃から社会化としつけを心がけましょう。
社会化については、幼犬の頃から散歩等を通じて周囲の人や犬に慣れさせ、犬同士の挨拶の仕方を学ばせます。
他の犬と会ったときには、まず挨拶をしても良いか飼い主に確認し、飼い主が目を離さないよう注意を払いながら、犬同士を合わせましょう。
しつけについては、特に無駄吠えや咬み癖が出るときに、飼い主が冷静に静止して注意します。その上で、自分で衝動を抑えられたときにはたくさん褒めることで、何が正しいかを理解させてあげます。
飼い主は根気よくトレーニングするようにし、慣れない環境でも興奮して攻撃性が出ないように細心の注意を払いましょう。
紀州犬のお手入れ
紀州犬には、下記の頻度を目安に、お手入れをしてあげましょう。
ブラッシング | 週1~2回 |
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シャンプー | 月1回 | トリミング | 不要 |
ブラッシングは、週1~2回程度、行いましょう。被毛はダブルコートで、年に2回の換毛期には抜け毛が多くなります。そのため、特に換毛期には2日に1回程度に頻度を多くすることがおすすめです。
ブラッシングの目的は、死毛を除去して体表面のムレを防ぎ、清潔に保つことです。そのため、主にスリッカーブラシの使用が効果的です。
ただ、スリッカーブラシは先が尖っていて肌を傷つける可能性がありますので、歯ブラシを持つように柄を持って、優しくブラッシングしましょう。
シャンプーは、月に1回程度、行いましょう。屋外で溜め込んだ汚れや雑菌を洗い流します。専用シャンプーと37℃くらいのぬるま湯で洗いましょう。
シャンプー後は、十分にタオルドライをした上で、ドライヤーも使ってしっかり乾燥させましょう。湿気が残ると、体表面に雑菌が繁殖しやすくなります。
また、シャンプーの頻度は月1回の目安を守りましょう。頻度が多くなると、皮脂が少なくなり肌トラブルの原因となります。特に日頃の汚れは、濡れタオルを絞って拭き取る程度にしましょう。
紀州犬がかかりやすい病気の例
心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)を発症しやすいと言われます。心臓の右心室と左心室の間にある筋肉の壁に穴が空く疾患です。
症状としては、血液中の酸素が少なくなり、チアノーゼ(口の中の粘膜・舌がやや黒ずんだ状態)を起こしたり、呼吸が荒く咳込むこともあると言われます。
先天性の心疾患であるため予防は困難ですが、兆候が見られた際にすぐに動物病院を受診しましょう。投薬治療や、場合によっては手術が必要になります。
その他の疾患を発症する場合もあります。定期的な健診を受け、愛犬の異変に気づいたらすぐにかかりつけの獣医に相談するようにしましょう。
紀州犬の価格
購入価格 | 15万~25万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均12,563円(中・大型犬 n=109) ※3 |
※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2021年11月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
紀州犬の歴史
紀州犬は、古くから紀伊半島3県(和歌山県、三重県、奈良県)にまたがる山岳地帯で飼育されてきました。当時は主に猟犬として、イノシシ、シカ、ウサギなどの猟に活躍していました。
当初は、今のような白い子ばかりでなく、胡麻や虎毛なども多かったと言われます。しかし、猟をする際には背景色と近く目立たなかったり、猟の獲物とも見分けにくかったため、白色の個体が好まれ繁殖されてきたと言われます。
また、もとは紀州犬と言っても「那智犬」「太地犬」「熊野犬」「奥吉野」と地域ごとに分けた呼称がありました。これらは日本犬保存会に登録される際に「紀州犬」としてまとめられ、呼称が定着したと言われます。
紀州犬との充実した日々を
均整の取れた筋肉質な身体と白い毛並、精悍な表情が印象的な子たちです。猟犬気質を継承して警戒心が強いですが、子犬の頃からしつけと社会化に気をつければ良きパートナーになってくれるでしょう。
本記事で紹介した特徴や性格、飼育の注意点を学び、紀州犬との楽しい日々をお過ごしください。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
2 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |