
正式名称 | ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア |
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英語名 | West Highland White Terrier |
原産国 | イギリス |
カテゴリ | 小型犬 |
ズバリ一言 |
純白カーリーな被毛が美しい 実は筋肉質で好奇心旺盛です かつては猟犬として活躍しました |
記事内容 |
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアの 飼い方や病気などを紹介します🐶 |
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアの特徴
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア(英語名:West Highland White Terrier)は、イギリス出身の小型犬です。「ウェスティ」という愛称で呼ばれます。
見た目には、純白でカーリーな被毛が特徴的です。キュルッとした瞳も相まって、まるで動くぬいぐるみのように愛らしいルックスです。
体格は、小型犬の割にかなり筋肉質です。とてもエネルギッシュな子たちで、毎日60分以上の散歩は欠かせません。
性格は、やんちゃで好奇心旺盛、遊び好きです。温厚で協調性のある子が多いですが、吠え癖が出ることもあるため、家庭犬としては子犬の頃からのしつけと社会化は重要です。
犬種標準のサイズ | 体高 28cm程度 |
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体重 | 7kg~10kg |
分類 | 小型犬 |
平均寿命 | 12年~16年 |
価格相場 | 40万〜50万円 ※1 |
※1 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2022年3月inuteマガジン編集部調べ
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアは体格が小さいため、専用のキャリーケースで持ち運ぶことができます。外で興奮して吠えないようにしつけをすれば、公共交通の同伴利用も可能です。
重量が気になる方は、なるべく軽量なクレートを選ぶことがおすすめです。ただ、軽量さだけで選ぶと安全面で懸念がある可能性があります。クレートのまとめ記事を参考に、最適なものを選びましょう。
以下に本犬種と似た特徴を持つ犬種を紹介します。
- 純白被毛の妖精「マルチーズ」
- 口ひげが愛らしい「ミニチュア・シュナウザー」
- 純白のアフロ犬「ビション・フリーゼ」
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアの性格
好奇心旺盛で遊び好き、やんちゃ坊主な性格をしています。じっとしているのが苦手な子が多い印象で、いつも飼い主に遊んでほしい!という圧力を放ってきます。
他の人や犬に対しても温厚で友好的な子が多いです。頭も良い子たちで、しつけは入りやすくトラブルは少ないと言われます。
一方、テリア気質が出ることもあり、吠え癖がついてしまう子もいます。家庭犬として迎える際は、子犬の頃からしつけと社会化をしっかり行いましょう。
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアの毛色
ホワイトのみが認められています。
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアの飼い方
身体は小さくても筋肉質で、非常にエネルギッシュな犬種です。散歩は毎日60分以上を目安にしましょう。
遊び好きな性格なため、適度に自由運動も取り入れましょう。ロングリードでのボール遊びや、ドッグランでの追いかけっこなどを通じて、エネルギーを消費させ、ストレスを溜めないように気をつけましょう。
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアのしつけ
明るく活発な性格ですが、興奮すると吠え立ててしまう子もいます。パピーの頃からしっかり社会化して、周囲の人や犬に慣れさせましょう。
日頃の散歩などを通じて、屋外の音やニオイを知り、人や犬と交流することで周囲の環境に慣れていきます。ときどき、散歩ルートを変えて、いつもとは違う環境を経験させるのも効果的です。
ただ、犬と挨拶させるときは、注意が必要です。不用意に犬同士を近づけると、犬が興奮して喧嘩や事故につながる場合があります。神経質な子や事情がある子もいるため、配慮するようにしましょう。
挨拶のときは、まずは相手の飼い主に了解をとります。飼い主が注意して徐々に犬同士を近づけます。このとき、犬が嫌がったり唸ったりしたら、すぐに距離を取るようにしましょう。
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアのお手入れ
本犬種は、下記の頻度を目安にお手入れしましょう。
ブラッシング | 毎日 |
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シャンプー | 月1~2回 |
トリミング | 月1回 |
ブラッシング
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、散歩後などに毎日ブラッシングをしましょう。ブラッシングを怠ると毛玉が増えて皮膚への通気性が悪くなり、雑菌が繁殖しやすくなります。
短いカットスタイルの場合のブラッシング頻度は、週に2~3回程度でも問題ありません。ただし、毛が伸びてくることも考え、毎日ブラッシングする習慣をつけておくことがおすすめです。
基本的には、スリッカーブラシを利用して毛玉や死毛を取り除きます。先端が尖っているため、肌を傷つけないように気をつけて扱いましょう。仕上げはコームで毛並みを整えてあげると良いです。
また、ブラッシングの際に、顔周りの汚れを清潔な布やタオルで優しく拭いてあげましょう。食べかすや涙、目やにが毛に付着しやすく、注意が必要です。
シャンプー
シャンプーは、月1~2回を目安にしてあげましょう。日頃から被毛に蓄えた汚れを取り除き、肌トラブルやニオイの対策と、純白被毛の美しさを保ちます。
被毛の汚れが気になって頻繁に洗いたくなりますが、なるべく頻度を守るようにしましょう。必要な油分までなくなり、かえって皮膚の疾患につながります。
また、シャンプーは愛犬とのスキンシップには良い機会です。トリミングサロンにお願いできますが、飼い主自らもシャンプーしてあげましょう。
基本的なシャンプーの注意事項は以下のとおりです。
水温🚿 | 犬の適温は約37~38℃ |
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薬剤🧴 | 必ず犬専用の薬剤を! |
乾燥💨 | アンダーコートまで入念に! |
犬のシャワー水温は約37℃程度に設定し、シャワーヘッドで優しくマッサージするように流します。
シャンプーの薬剤には、必ず犬専用のものを利用しましょう。人間用のシャンプーは犬の肌には刺激が強いため、利用を控えましょう。
シャンプー後は、しっかり乾燥させて雑菌の繁殖を防ぎましょう。タオルドライした後に、ドライヤーで毛の根元まで湿気を飛ばします。自宅での乾燥には、30分~1時間程度は見込むようにしましょう。
トリミング
トリミングは、月1回を目安に連れていきましょう。
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアのカットスタイルは、丸みのあるウェスティカットが定番ですが、夏場はサマーカットで短くしている子もいます。
その他
歯磨き
歯磨きは、毎日するようにしましょう。日頃から食べかすや歯垢を落とす習慣をつけ、口臭や虫歯、歯周病の対策をしてあげましょう。
歯磨きには、犬用の歯ブラシや清潔なガーゼや布で、飼い主が磨いてあげましょう。専用の歯磨きジェルも活用しつつ、こまめに磨くようにしましょう。
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアがかかりやすい病気の例
レッグペルテス病やアレルギー性皮膚炎などの疾患に注意が必要です。
レッグペルテス病
血流が悪くなることで大腿骨頭(大腿骨の先端)が壊死してしまう疾患です。小型犬によく見られます。
本疾患は、生後1年以内に発症することが多いと言われます。発症すると足を引きずったり、患部を触ると痛がったりします。
現状、原因となる血行不良の要因が判明しておらず、予防方法はありません。好発犬種が限定されるため、遺伝的な要因が疑われています。
治療には、症状が軽度の場合は運動を控えて自然治癒を促します。重度で大腿骨頭の壊死が広範囲に渡る場合は手術が必要になります。患部切除し、人工関節を取り付けるなどの処置をする可能性があります。
アレルギー性皮膚炎
特定のアレルギー物質が原因となって発症する皮膚炎です。しきりに身体を舐めたり注意しても掻いてしまう仕草が見られるときは、早期の段階で病院に相談しましょう。
原因となるアレルゲンには、ノミ・ダニや普段の食べ物など、かなり多岐に渡る可能性があります。
そのため、治療には、まずはアレルギー検査によりアレルゲンを特定することが重要です。それを日々の生活から取り除くことで、皮膚炎を再発しない環境を整えます。
その他にも重大な疾患を発症する可能性もあるため、まずは定期的に動物病院での健診を受けましょう。また、飼い主が何か異変を感じた際には、ためらわずにかかりつけの獣医に相談しましょう。
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアの価格
購入価格 | 40万〜50万円 ※2 |
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月間飼育費用(医療費含む) | 平均11,890円(小型犬 n=300) ※3 |
※2 参考:オンラインペットショップ等複数社の値段から算出 2022年3月inuteマガジン編集部調べ
※3 出典:「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアの歴史
ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアの祖先犬は、ケアーン・テリアから生まれた白い個体だと考えられています。
19世紀頃、白いケアーン・テリアは望ましくないとされていました。しかし、スコットランドの地方領主マルコルムスが興味を持ち、積極的に他の白い犬種と交配させました。その結果、白色のテリアが増え、本犬種の源流となりました。
1908年に犬種名としてウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアの名が与えられ、各国のケネルクラブで登録されました。
当時はケアーン・テリアとの交配が認められていましたが、アメリカンケネルクラブが両犬種間で生まれた子犬の登録を禁止しました。それをきっかけに、両犬種が明確に別の犬種として確立されました。
参照文献
No. | タイトル | 出版社 | 著者・監修 |
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1 | 「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」 | メイツ出版 | 奥田香代(監修) |
2 | 「日本と世界の犬のカタログ」 | 成美堂出版 | 福山貴昭(監修) |